実千代鍼灸院TOP > Michiyo Cafe(第2回:突発性難聴)
■司:じゃあその、実千代先生が副島さんを治療をしていく中で、副島さんから感じる気などで変化は有りますか?例えば、ピリピリしてた患者さんがちょっと穏やかになってたりとか(笑)。
■実:もう電気に触るみたいだったのが?(笑)そういう感じ?
■司:そういう感じは見受けられますか。
■実:彼女の場合は、あんまりそういうのが分からない人ですね。淡々とものすごく頑張っちゃう。だからどちらかと言えば、中に籠っていくタイプですね。
■副:はい。その通りかも。自分でもそのストレスに気付かない。
■実:そうでしょ。だから、頑張り過ぎちゃう。
■司:小さい頃から結構お父さんとお母さん厳しかったんですか?
■副:他の家庭の話とかを聞いてると、父は厳しい方だったんじゃないかと思います。そうですね~仕事に関してはやっぱり、こう何だろう、例えば、仕事を頼まれた時に一緒に頼まれた子はちょっと手を抜くけど、私手抜けないからその子の分まで頑張っちゃうみたいな。
■実:まさにそのタイプですよね。
■副:はい。そういうところはねありますね、はい。
■司:なるほどそういう性格的な部分も病を引き起こ
す原因の一つになりうるんですよね。
■実:そうですね、心と身体は繋がってますからね。
でもいい性格ですよ。
■副:いえいえいえいえ(笑)。
■実:そう考えると、病は性格からも形成されるのを感じますね。昨日も鍼灸師仲間と話してたんですが、精神的な葛藤が病という形になっている場合もあるよねっていう。
■副:はい。
■実:私も患者さん診てて色々教えられますね。生きてる限り色んなことが起こりますけど、それをどう受け止めていくのかって人によって違いますからね。
■副:確かに。
■実:また、性格は長年の自分ですから、変えましょうって言われてもそんな急には無理ですからね。だから、身体から心へ働きかける治療が大事だと思いますね。
■副:そうですね。それに案外自分の考え方の傾向って、自分では気づいてなかったりします。知らないうちに頑張りすぎてしまったり、考えすぎてしまったり。そういう自分の傾向に気づくためにも、鍼は有効なんですね。
■実:西洋医学は感染症など抜群に効果があって素晴らしいのですが、内科的にはどうしても心と身体を切り離して診てるので難しい部分も多いでしょうね。心を言いだすと心療内科になっちゃいますからね。でも、今は心の部分を考慮しないと…どうしようもない時代。過ストレスの行き場所を失っているというか。だから、その辺、鍼灸師も心と身体を丸ごと診るっていう意識が必要不可欠ですね。
■副:西洋医学でも、「ストレス学説」なんて言われて、色々な病気がストレスが原因もしくは要因になっていると言われています。私の場合もそうでした。ストレス!の一言ですからね〜
■実:難聴なども精神的なところだけを取り上げたら、聴きたくないことは聞こえなかったりしますよ。案外、聞きたいことは聞こえたりしてね(笑)忙しすぎて、疲れはてて、もう私これ以上皆さんの声聞きたくないわって、なった場合は無意識の中で、やっぱり耳が塞がってしまうことも、無きにしも非ずですよ~。
■副:私ね、実は面白いというのか…苦手な人がいて、声が大きいから聞こえるはずが、その人の声は聞こえにくかったんです。
■実:ちょっと文句言いの人?
■副:そう、ワンマンな人で、まぁその、決して悪い人じゃないんですけど振り回されるんですよね。
■実:生命力大盛で(笑)。
■副:で、声すごく大きいんですよ。
■実:うんうん(笑)
■副:耳が良くなっていく段階で、その人の声は絶対聞こえるやろうっていう声なのに、何故か聞き取れなくって(笑)。
■実:あっはっはっ(笑)。
■副:これは何だろうって(笑)。私聞きたくないから…??
■実:そうね~多分(笑)
■副:で、他の小っちゃい声の人はよく聞こえたりするんですよ。絶対聞こえるんです(笑)。
■実:面白いね。人間の心理って。
■実:とにかく、患者さんご本人が自分の事に気づいて変わっていくのが嬉しいですね。最近では、Sさんね。ご主人のせいでこうなったって責めていたのが、「自分が変わらないといけないと思います」って笑って言われた時は本当に嬉しかったですね。すると、今度はご主人に色々ガミガミ言われても動揺しなくなったって。これは、ある面、痛いところが治りましたって聞くより嬉しいものです。私は、精神的なものが身体に出たのを、身体から治していく役ですから。身体を整えていけば精神も安定しますからね。これこそ東洋医学ですよ。
■副:考え方を変えなければ、またそれが身体の症状となって現れる可能性がある。そういう意味では、根本原因まで治したってことですよね。
■実:それだったら嬉しいですね。今日こられた方も精神的にも家庭的にもちょっと大変で、若いのに血圧がすごく高くなったりするんですが。痛いところが色々あったり、フラフラしてひとりでここに来れなかったんです。それが気が付けばもう一人で来られてますからね。
■副:へ~。気がついたら。
■実:だからこちらが何かアドバイスするより、身体から治すほうがいいですね。
■副:そうですね、分かってるけど変えられないってありますからね。
■実:そうそう。ただ師匠の蓮風先生は、何ていうかな、静かな湖に小石をポンッて投げたら波動が広がるでしょ。その波動を自分で感じて、色々気づく事が多いんですが。小石の投げ方が抜群に上手ですね。先生の一言、後からじわってきますね。
■副:ふーん。
■実:人生経験ですね。色々人の心を知り尽くしておられる。こんな風に身体の痛みを取るだけでなくってやっぱり心を変革していく。そのご本人が自立していけるような、そうなんだって思っていけるように心を強くしていく。心を実証にしていくというのでしょうか。
■副:うんうんうん。
■実:ちょっとした波風では倒れないように。鍼をきっかけにしてそうなって頂きたいって思います。そこを目指してます。
■副:うーん。
■実:とにかく鍼灸師が集まると本当に楽しいですね。さすが東洋医学をやってる先生の集まりだなって思いますよ。
■副:いいですね~私も早くそんなことが話せるようになりたいです。
■実:いや大丈夫よ~
■司:私たちもスタッフとして見てても、顔つき変わってきたとか、あっ、服装が変わったとか、そういうの感じます。あっ、この人すごく変わってきたなって、ドアの開け方とかもすごく違ったりするんです。
■実:望診ですね。人間観察。一挙手一投足って結構その人を表わしてますからね。人間は正直です。
■副:そうですね。
■司:そういうのも勉強になりますね、ほんとに東洋医学はすべてに通じていて勉強になります。
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