当院は北辰会方式(多面的観察による弁証論治)に基づき、少数鍼にて治療を行います。現在の症状がいつから、どの様なきっかけで発症し、その経過や既往歴(過去に起こした病)などから、病の原因を分析します。 それは、問診(その症状の経過や既往歴、睡眠状態、飲食状態、排泄物などカルテに沿って伺います)から始まり、舌診(舌の状態)、気色診(顔面状態)、腹診、脈診、原穴診(十二経絡の中の主要な穴)、背候診(背部兪穴の反応)など、多面的に体表観察(穴、皮膚の状態を触れる事により調べていきます)を行い、なぜ現在のような症状に至ったのかを考えます。なぜなら、頭痛一つでもその原因は様々で、人により違うからです。
また、穴の反応も、一定の共通性(例えば肝の悪い人に現われる穴の反応など)は有るものの、人により穴の状態が違います。身体の中に起こっている様々な症状は必ず、体表(皮膚、穴など身体の表面)に現われます。よって、私達は患者さんから自覚的、他覚的に情報を収集して行く必要があるのです。 更に、西洋医学では見過ごされてしまうような症状など、患者さんが訴えられる細かい症状も大切な情報として耳を傾け、診断の1つとして参考にしていきます。
以上の事を総合して、なぜそのような症状に至ったのか、そのひずみを見い出し、証(現在の状態を中国医学的に決定したもの)を立て、治療指針を決定し、少数鍼にて施術し、全体のバランスを整えていきます。東洋医学は人間の身体を小宇宙ととらえ全体感に立って、そのゆがみに対して、理論的に分析を加え、バランスを整えていくという方法です。直感は大事にしますが、霊的なものや訳の分からないごまかしでは決してありません。
万民が納得できる理にかなった治療法なのです。
当院ではパルスなどの電気治療、マッサージなどは一切行っていません。下記の写真の通り、鍼・灸の治療により、身体のひずみ(不調和)を見つけ、気、血(東洋医学の豆知識を参考)のバランスを整えていきます。 様々な鍼がありますが、当院では下記の鍼灸を使用しています。 どれを使用するかは、その人により違います。
日本で作られたデスポーザル(使い捨て)の鍼です。長さ、太さなど、その患者様の体質、病の状態により使い分けます。
古代鍼には金と銀があります。この鍼は皮膚に刺す事はせず、穴の上にかざして(あてて)使用します。主に小さなお子さんはこの鍼を使用します。
江戸時代ごろから使われていた夢分流という流派の治療法です。現代に合うように、北辰会代表藤本蓮風氏が改良を加え、様々な疾患に使用しています。腹部の邪を槌でコンコンとひびかせて散らします。
お灸は香りの良い高級もぐさ(薬効のあるヨモギから作られています)を使用しています。米粒の半分程の大きさで、灸痕が残らない様に灸点紙を使用します。
長い棒状のものは棒灸で、皮膚から数センチ離して使用します。手前の小粒の温灸は台座灸と呼ばれるもので一般にも広く使われています。