実千代鍼灸院TOP > Michiyo Cafe(第1回:アトピー性皮膚炎)
■司:あの、実際に鍼をうけられたのは初めてだったんですか?
■山:そうです。
■司:じゃあ、ここに来られる前、どういうイメージを東洋医学とか、鍼に対してもっていましたか?
■山:そうですね。鍼を刺すという、あの、怖いイメージがありました。
■司:そうですよね。
■実:鍼を「刺す」ですから。ちょっと物騒な感じ。(笑)
■司:鍼ですもんね。やっぱり。そうですか。じゃあ実際ここに来て、鍼を受けられてどうでしたか?特に、ここの鍼灸院の特徴は、少ない鍼、1本もしくは、2本の鍼しか1回の治療で刺さないんですけれどもいかがでしたか?
■山:実際に治療を受けてみて初めに思ったのは、脈診や、体表観察での先生の手の温もりです。そして、悩んでいる細かい症状に優しく、心からの気持ちで耳を傾けて下さり、安心感がありましたね。鍼の痛みは全くなくて、1本の鍼をツボに刺してもらった瞬間、体中を巡ってバランスが整えられていくのが分かりました。そして気持ちが落ち着き、ホッとしましたのが印象的でした。
■実:良かった。いい患者さんで。(笑)
■司:そうですか。先生、少ない鍼の意義ってなんでしょうか?
■実:私達の鍼は、「北辰会方式」なんです。師匠の藤本蓮風先生が作ってくださった鍼灸学術団体なんですが、少数鍼は「北辰会方式」の特徴のひとつです。たくさん刺すと、まず何がどのように効いたのかが分からなくなる事も理由です。さっきの漢方薬9種類と同じで本当には何が効いて何が良くなかったのか分からないですよね。多すぎて。
■山:そうですね。
■実:それと、鍼で身体全体のアンバランスが何処かを色んなツボや、舌、脈、顔色など診て探っていくんですが、一点集中というか。足りないところは補って、満ち過ぎてる所は分散させるのに1本の方が効力発揮するように治療してても感じますね。そのアンバランスを我々は、「歪み(ひずみ)」って呼んでるんですが、この歪みを少数鍼で整えていきます。
■司:今、先生が体の「ひずみ」を調えるんだよっていうふうにおっしゃいましたけども、山下さんご自身がやはり治療を受けて、もちろんアトピーもその「ひずみ」を治す事で良くなったと思うんですけど、他に、何か体の状態で良くなった事ってありますか?
■山:はい。そうですね。すごく熟睡出来るようになりましたね。
■実:それ実はアトピーにとっても大事なことなんです。
■山:そうなんですか。
■実:師匠に私も鍼を受けてますが、、、私はアトピーではありませんが、私も邪熱が強いので、いつも便秘をしない事とよく眠れる事。この2つが大事だよと言われてます。鍼をしていると大きな病気を防ぐことになると。まだ、山下さんも便秘が充分改善されてませんよね。
■山:あっ、便秘はまだ治らないですね。でも、ジワジワと体が温かくなったような気がします。で、乾燥していた肌がシットリしてきました。
■実:お腹もツルツルしてきて、腕の関節の深かった溝も本当に無くなってきましたね。あと、治療以前は、生理が来なかったんですよね?
■山:そうなんです。鍼を受けて生理が来るようになりました。
■実:それもちゃんと定期的にくるようになりましたね。
■山:そうなんです。
■司:飛ばずに連続で生理きてるんですね。
■山:生理も、ずっとアトピーのせいで来ないと思って心配してたんですけど嬉しいです。
■司:あの、それはステロイドの影響とかっていうことですか?
■山:そうなんです。はい。
■実:ステロイドの影響かどうか実際にはわからないですが、生理が止まる前にダイエットなんかしましたよね?
■山:あ、そうです。
■司:お食事の制限をされたんですか?
■実:ダイエットをして生理が止まる患者さんは非常に多いですね。
■山:制限をしたのが大きいですね。
■司:あのぐらいから来なくなっちゃった?
■山:そうなんです。
■実:だから、治療していって良くなってきた頃、途中から何でも食べていいよって言ったんです。
■山:そうです。だから先生にそういう風に教えて頂いて何でも食べるようにして、で、鍼をしていったら生理がきました。嬉しかったですね。
■司:よかったですね。
■実:出血すべきものが出ない事自体もよくないですが、出血することによって邪熱を外に追い出しているっていうふうにも考えられます。だから、生理がちゃんとあったほうがアトピーなどの熱疾患は速く良くなりますね。病気での出血は論外ですが。ですから、痒くて掻いて掻いて掻きむしっちゃうと血が出るでしょ。血が出ると痒みがマシになりませんでしたか?
■山:はい。ましでしたね。スッキリします。
■司:そうなんですね。
■実:たまに、鍼をした後に、気付いてたかな?私たまに呟いてますが。鍼を抜いた後に刺したツボから血が少し出る時があったんです。
■山:はい。覚えてます。
■実:そう。足の時もそうだったし、手の時も血がぷちゅって出てたの。
■司:あれも、邪熱が取れたっていう事になるんですか?
■山:それは、良い事なんですか?
■実:すごく良い事。肌のところに停滞してた熱が出血と共にとれますから。効果ありますよ。停滞していた邪熱がとれると気が巡りますし。
■山:効いてるっていう感じがしますね。
■実:後、スカッっとするでしょ?
■山:そうですね。
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