松本です。
黄帝内経の素問・陰陽応象大論に「以表知裏」という言葉が出てきます。
「表を以て裏を知る」これは身体の表面の症状から内面の病変を知る、という事です。
臓腑(内面)の状態は必ず外に反映され、体表によってそれを知ることができます。
西洋医学がCT・MRIや血液検査などから診察するように、
東洋医学には四診(望診・聞診・問診・切診)という診察方法があります。
顔、舌、眼、爪、分泌物や排泄物などを観察する望診。
声や臭いから判断する聞診。
インタビューである問診。
脈や身体のツボを観察する切診。
特に望診と切診を合わせて体表観察と呼び、この二つが伝統医学の身体における診察法の位置づけをなしています。
「身体の表面の症状」といえばツボを考えられる人がいるかもしれませんが、
このようにツボだけでなく身体全体を多面的に観察しているんです。
例えば、暴飲暴食すると胃腸に負担がかかりますよね。
こういった食生活が続くと食欲がなくなったり、食べても胃が動いていない感じ、いわゆる胃もたれや腹が張るといった症状が現れますが、実感したことないでしょうか。
こんな時には胃に関わるところに反応が現れてきます。ツボであったり、舌の苔が分厚くなったり、また鼻先や鼻翼の毛穴が開いてきたり、ひどいとイチゴのように赤くなったり…。
内臓の状態が体表に現れる。
まさに以表知裏ですね。
年末年始、飲み食いが続きますが、僕も胃腸を大事にしながら美味しいものを食したいものです。