嘘をついてはいけません
嘘をついてもわかるんです
は~い
はいは短く一回で
はい
子どものころを思い出す
少し経つと
あれ、大人も嘘をつくんだ
大きな発見
黙ってる
もう少し経つと
嘘つきの自分
発見
自分を責める
いつ謝ろう
ってドキドキする
今は
たまには嘘も
必要と
開きなおる自分を
許してる
相手のために
ただ
相手をおもって
そんな理由をつけられて
ごめんね
知らないことが
たくさんあるね
だから
知りたいもっと
知りたい
本当の事が
知りたいだけ
歪められたこと
虚偽のこと
どれもこれも
本当を知れば
霞と消える
知らないことが
たくさんあるの
だから
知りたいもっと
知りたい
あなたの事が
知りたいだけ
そうすれば
争いなんて
起こりっこない
母が一度行ってみたいと
いってた九寨溝
標高3000メートル
それ以上
空気薄くて
数歩あるくと
ハァハァ息切れ
みんなは
酸素ボンベに助けられ
甘いもの頬張りながら
私は
酸素ボンベ不必要
亡き母心に想いながら
肺まで襲った
憎きガン
息が吸えない
苦しさどれ程か
確かめたくて登頂した
この何十倍?
何百倍?もっともっと?
九寨溝は
信じられない
美しさだった
自然の神秘が
幾重も幾重にも
透きとおる
コバルトブルーの水に
母が
にっこり笑うの
はっきり感じた
痛い?痛くない?
何回問うたか同じこと
何回問うても痛いのに
同じこと繰り返してた
手と手を結んで
寝てたよね
ちょっと動くと飛び起きて
痛いの?って同じこと
心の中で繰り返す
何百回目かの問いのあと
母がポツリと
つぶやいた
おんなじ事ばっか
聞かないでって
応える言葉を
失って
ごめんねって
心の中でつぶやいた
何年たっても
忘れられない
ひとつひとつの
出来事が
何年たっても
情熱同じ
ますます熱く燃えている
どれだけ生きたかった
どれだけ悔しかった
どれだけ恐怖だった
どれだけ苦しかった
母の死からまる七年
私が立った
悔しさつかんで立ち上がった
そこから
全て変わっていった
母の悔しさも
恐怖も苦しみも
姿が消えたことさえも
全てに大きな意味をもって
変わっていった
母は満足顔で微笑んだ
なんて懐かしい母
いつ会えるの
もうすぐと
声がそこまで聞こえてきた