「日々の心いろいろ」より(レンゲショウマ)
私の母はよく「背中にその人の人生が現れてるわよ」と言ってました。
確かに。。患者さんの背中を見て泣きそうになるが時あります。
私は、もう一つ挙げるとしたら、最近特に「手」からその人を感じます。
同じ5本の手ですが、本当に様々。繊細な手、曲がった手、柔らかい手、ゴツゴツした手…その表情は触らないと分かりませんが。
先日も、お顔を見ても、お話をしてもそれ程分かりませんでしたが、手を触ったら、何て繊細な人なんでしょうと驚いた人がいます。 男性です。
体はガッチリしてるのに。。こんな手の人最近多いです。
ここ10年くらいでしょうか、男性の手が余りにも綺麗~と感じる時があります。正に白魚の手。
でも、白魚の手は繊細過ぎて精神的に辛くなる人が多いですね。良くなってくると手が微妙に変わってきます。
綺麗な中にも芯ができますね。
「日々の心いろいろ」より(スイレン)
数年前、師匠から譲り受けたALSの患者さんが、先日誤嚥性肺炎を起こして大変な状況に。
酸素値も40%代が続き酷いチアノーゼ。台風の真っ只中、深夜にもうダメかと親戚中を呼ばれたそうです。
この患者さんは、数年前、痰が詰まり救急車で運ばれるも中々受け入れてもらえず、病院に辿り着くまで23分。呼吸が出来ない状態のまま。。。
医者から脳死してないのは奇跡中の奇跡。信じられないと言われました。
そのまま人工呼吸器と胃瘻をされました。
あれから3年程経ちます。奥さんから懇願され鍼治療を続けています。
誤嚥性肺炎の翌日往診に行くと、患者さんが真っ直ぐ私の目を見つめています。
私が、「頑張ったですね。頑張って下さらなかったら今日会えませんでしたね。会えて良かった!」と言うと、涙を浮かべられました。
喋れなくても全く体も動かない状態でも、全て聞こえ、考える力はしっかりされています。
目を動かして、お口もほんの少し動かして一生懸命話しかけて下さっていました。
私達の会話は成立してます。声は聞こえなくても話してる感覚がちゃんとあるから不思議です。
何度も生死の境を彷徨っても、生きておられるのは、患者さんに、生きたい!との強い強い意志があるからだと私は思っています。
「生き抜いて奇跡を起こしましょうよ!」と言うと、「そうだ!」と力強く言われる声が聞こえてきます。
誰よりも御自身と闘っておられる患者さんに畏敬の念でいっぱいです。
自然に咲く満開の秋桜。
なんて優しいのでしょう。
『心の声を聴く力』の著者、山根基世さんが、
『「人の話を聴くことが、自分の中の何かを変える」くらいの受け止め方をする事。そうした「傾聴」の姿勢こそが、「心通う対話」の為に最も重要だと思います』と言われてました。
難しい事ですが、とっても大切な事だと感じます。
確かに面と向かって相手の言葉を真摯に聴く事で、自分の考えが変わる事は多々あります。成長の糧になってます!
ネットでは得られない、その場の空気感、相手の眼差しや表情、相手の口調、それらを全て含めて対話って成立するのでしょうね。
私も人と話をするのが大好きです。
患者さんとの対話もそのひとつです。
患者さんは鍼治療に来られてますので、あまり長い話はしませんが、短い対話の中でも、
患者さんが本当に思ってる事、それは自分の体の事に始まり、職場の事、家庭の事、子供の事、飼い猫犬の事まで。。。それはそれは様々です。皆さん懸命に健気に毎日を生きておられます。
その言葉の根底にある喜びや不安、悲しみやるせなさ等の感情を患者さんと分かちたいと思っています。
話しを聞くだけでは解決にならないと思うかもしれませんが、実は、そこに真剣な傾聴があれば、
相手も自分も前進する事を実感しています。
コスモスの乱咲き(笑)
以下の文は、師匠の蓮風先生が日々綴って下さってる『鍼狂人の独り言』「鍼の医人」79の今日のブログです。
「心持ちの大事」は生活そのものの哲学だ。 人が所作を成す時、迷いがあってはならず、 只ひたすらその事に集中し心を動かしてはならない。動揺があれば、意思は彷徨い行動が徹底せず結果として所作は失敗するであろう。事、医学医療においては人の命に関わる事、只ひたすら集中すべきだ。
とても重要ですので全文紹介させて頂きました。何度も繰り返し読むべしですね。
蓮風先生は臨床50年以上、何十万人という考えられない程の患者さんを診ておられます。
「心持ちの大事」は生活そのものの哲学だ。と書かれてありますが、確かに凡ゆる事に通じると最近特に痛感します。
鍼医者と言っても、その人がどの様な心で日々の生活を送ってるのか、モノの見方感じ方、全ての物事の始まりは、自分の心から発しています。
それも一瞬一瞬、湧いてくる心から。
その一瞬の心の積み重ねが一日を作り、一年を作り、その人の一生を作っていきます。
誰のせいにも出来ません。全ては自分の心から生じるのですから。
日々、自分に素直に充実した大満足の毎日を送っていきたいですね。患者さんの為にも自分の為にも。
是非『鍼狂人の独り言』を人生の哲学書と思って読んでみて下さい。ここをクリック
昨日のNHKスペシャル『腎臓があなたの寿命を決める』見られましたか?
この様な番組を見る度に、東洋医学の考え方にどんどん近づいてきた❣とワクワクします。
腎臓は、血液の管理者でもあり、様々な臓器と連携を取りながら、カリウムやマグネシウム等々、必要な成分を微調整してる優れものと言われてました。
体内には情報のネットワークがあって、その中心が腎臓という事です。
腎臓君の株が一気に上がりましたね(笑)
最近では、例えば心臓外科医が腎臓の手術をしたりしてるそうです。
心腎関連とか、肝腎関連とか膵腎関連等々…この○○関連が大切なキーワードになってるそうです。まさに東洋医学です。
そして何より嬉しい事に、薬の過剰投与は腎臓に負担をかけるので減らしましょう!と❣
先進国の入院患者の5人に1人が病気に関わらず急性腎不全等で亡くなるようで、
薬を止める事で腎臓の機能を回復させる事が出来る事が証明されたそうです。
腎臓は薬からのダメージをとても受けやすい臓器のようです。人体で最も傷つき易い臓器なんですって。
イギリスのある病院では、薬をやめて腎臓を回復させる事を全ての入院患者に導入していました。
結果、腎臓を守る事で多くの命を助けられたそうです。余計な薬は飲まない方が長生き出来るという事です。
「人体を、ネットワークととらえ直したことによって見えてきた。全身の臓器と語り合い、調節している腎臓。」という風に紹介されてました。
これからもっともっと人体への捉え方、病の捉え方等、東洋医学の考え方が本流になっていく事は間違い無いですね。