最近、訴える方がとても多いです。
日本鍼灸史上に於ける巨星と言われた、沢田健先生は、巨厥、中脘、下脘にお灸をすえて治癒させたらしく…
最近の胃酸過多は、脾胃が弱ってる所に、油っこい物や甘い物の過食に加え、
様々なストレスから胃熱を生じて起こる場合が多いですので、
私は、お灸を使うことは、ほとんどしません。
舌と脈がしっかりしていたら、背部の督脈上のツボに鍼をして熱を取って治す場合が多いです。
沢田先生は、腹部の任脈上のツボにお灸ですので、丁度、真反対です。
沢田先生は、お灸の名手。鍼もお灸も加減によって素晴らしい効果を発揮します。
沢田先生と今では時代が違うということも考慮にいれて、鍼、灸も使い分けたいです。
それにしても、澤田先生にはかなり親しみを感じます。過去世で出逢ってたりして…ね。
虹の様な紅葉
患者さんが、いつになく興奮気味に来院されました。
「先生、この本最高!」と手に一冊の本。
タイトルは、『高血圧はほっとくのが一番』松本光正著
その患者さんは白衣高血圧症で、先日、医者から降圧剤を強烈に薦められ、憤慨してたところでした。
早速読んでみると、
「高血圧だから、脳梗塞になった」のではなく、『脳梗塞だから、血圧を上げて治そうとしている』のだ。脳の血管が詰まりかけた時、体は懸命に血流を勢いよくし、血のかたまりを吹き飛ばそうとする。血圧を上げて、脳を守ろうとしているのだ」と。
更に、高血圧の基準値は、「180→160→140→130と、どんどん下がり、そのたびに1000万単位で「患者」が増えていく」。。。今はまた140に上がったようですが。本の賛否は置いといて、
本来は薬を減らしていくのが医者の務め。それが、現実はどうでしょう。
今年は、降圧剤の「バルタルサン」の臨床試験疑惑にも驚きましたが、サラッと流れてしまいました。
降圧剤を出された患者さんは、一生飲むように言われました…と。一生飲まないといけない薬など有るのでしょうか?疑問です。
この患者さん、我が院で血圧を測っても高くありません。
「ヤマアラシ ジレンマ」という心理学の言葉があります。
寒さの中、二匹のヤマアラシが暖め合うために体を寄せ合いますが、
近づきすぎるとお互いの体の針が相手に刺さってしまい、離れると寒くなる。
二匹は近づいたり離れたりのジレンマを繰り返しながら、お互いに傷つかず、寒くも無い距離を見つける。と言うお話です。
この距離の取り方、簡単ではありません。
親子関係では尚のこと大変です。今、社会問題のモンスターペアレント、ヘリコプターペアレント…
子どもが可愛くて…が昂じて、気になって仕方がない…病的なほどにです。子離れが出来ない状態。
お互いに、同じ病気を患ったり、過剰に神経質になってぶつかる。。。患者さんの中にもたまに見られます。
さて、これを鍼でどう治すかです。
先ずは、脾胃を立て直し、湿熱邪を除いて、身体からスッキリさせるのがいいと思います。
こちらも粘り強く。
春のような紅葉
舌診は、鍼灸治療の陰陽診断にかなり有効で、舌は唯一見える内臓の一部とも言われています。
ある男性患者さん、先月辺りから舌に真っ黒な苔が生えてきました。
黒苔と言えば、熱の極みか、寒の極みと言われてますが、陽体質の癌の末期の方には、殆どこの黒い苔が見られます。熱の極みです。
医療関係の方ですが、自分の舌は見たことがないと…多分、この黒い苔は、出たり消えたりしてたのでは無いでしょうか。癌ではありません。
ここ数ヶ月、かなりお仕事で御心労が重なり、熱を冷ます陰分が不足してきたのでしょう。陰が不足すれば熱化する一方です。
元々、白厚膩苔(白い苔が厚くベッタリ付いている状態)の方です。
「苔の白厚膩苔に黄黒苔があるのは、湿が熱をおさえてる処に急性熱が加わり黄黒粘苔となる。」師匠の名著『舌診アトラス』にある通りです。
連続した強烈なストレスが、ある時点から急性熱を生んだのでしょう。
陰分を照海穴で補うこと数回。徐々に黒い苔は消えてきました。先日は、百会穴で熱をとる様に治療しました。
様々な方法がありますが、1番オーソドックスな治療で調えました。
何かあれば、直ぐ飛んできて下さる患者さんがどんどん増えてきました。
かかりつけ医としての鍼灸治療院…一番嬉しいです。
特に、最近、この気温変化について行けず、体調を崩される方が多く忙しいです。
先日も患者さんが、顔が歪む程、右の頬を腫らして来院されました。
発熱、頬の痛みと腫れ…油断出来ないです。
体表観察してみて、これは鍼で治せると思い、朝と晩の2回治療に来て頂きました。
陽明経の邪熱を足の上巨虚でさばき、照海穴で陰分を補う様に置鍼しました。
一診目で痛みが取れ、腫れも引いてきました。鍼は本当に効果があります。
こんな鍼にいつも感謝してます。
そして、酷い症状にも関わらず、信じて来て下さる患者さんには、もっと感謝します。