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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2011年5月24日(火)

Vol.69鍼灸の方法―北辰会方式

よく患者さんに、「先生の鍼治療は他の鍼灸院とは随分違いますね」と言われる。
鍼の本数は、ほぼ1本、患者さんの訴える痛い場所には刺さないという事に驚かれながらも、その効果に賛同してくださる。
「これは、師匠藤本蓮風先生を代表とする北辰会方式という治療法なんです」とお伝えする。蓮風先生のことは度々紹介させて頂いているが、リーダーの人柄や思想性がその会の方針や方向性を決定していく。よって、はじめに先生の事を少しご紹介したい。

全身から、鍼灸に対する大いなる信念、情熱、確信が満ち溢れている先生。
人間を見つめる眼は温かくあまりにも鋭い先生。
常にナポレオンの如く「前進!」を合言葉に真の医学を追求し続けておられる先生。
生命力に満ち溢れ、若武者のように自由闊達な先生。
難しければ難しい程、闘志が湧きいずる先生。
非常にせっかちな面と、驚くほどの根気強さを備えた先生。
挙げれば切りがない・・・・

このような藤本蓮風先生を代表に北辰会は1979年に発足する。
蓮風先生の60万人を超える膨大な臨床実践から、診断治療法則を論理化したものが「北辰会方式」として構築される。
2009年2月には、一般社団法人北辰会として新生した。

北辰会の理念は、東洋医学は真に医学であるとの立場から、病の治療を「学」と「術」の両面から追求している。そして、東洋医学における人間の「体」と「心」と「魂」の救済を目指している。これは、単に身体のみを診るのではなく、心身不二の立場から、身体のバランスの乱れは、心神(精神)と深い関係が有り、身体から心、更には奥底の魂の領域までをも変革可能な医療であるとの信念に基づいている。

北辰会の治療は、論理性にすぐれた現代中医学をその基本理論としている。そして、望・聞・問・切の四診合参により多面的に病態を把握していく。
望とは、望診のことで、体型や動き方、更には皮膚、顔面、舌の状態を診ること。
聞とは、聞診のことで、声や話し方、口臭や体臭をかぎ、診察すること。
問とは、問診のことで、生活習慣、自覚症状や食欲、睡眠、既往歴などを質問して情報を集める事。
切とは、切診のことで、患者さんに触れて、脈診、腹診、ツボの状態(体表観察)などを診察する事。この四診を総合し、なぜ患者さんは、病気になったのかを判断していく。
この中には、北辰会独自の空間診という、気の偏りがどこにあるかの診断法や、腹診において日本伝統鍼灸古流派の夢分流(むぶんりゅう)を現代に生かせる打鍼術として応用している。

更に、診断後の鍼の本数は、1本または少数鍼にて、凝縮して効果をあげる方法をとっている。また、子ども、敏感すぎる人、弱りきっている人などに古代鍼(こだいしん)という接触鍼を使用し、刺さない鍼として応用している。

私も、現在も週1回~2回、奈良におられる蓮風先生の下で鍼灸の勉強を継続し、日々精進している。このことがどれ程、幸せな事かを感謝しない日は無い。
先生の偉大さを証明できる自分に成長する事、それは、多くの患者さんを救っていく私の使命であると共に、先生に対する報恩だと感じてならない。

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