ENGLISH

MAIL

WEB診療予約

実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

MENU

院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2010年4月28日(水)

Vol.52生命力は自分の中に

(自然の驚異)
4月14日アイスランドのエイヤフィヤトラヨークト火山が大爆発した。
噴火の映像を見ると「地球も生きている」との感を強くする。
島の殆どが、火山と氷河で覆われているアイスランドでは、高温のマグマが氷河にぶつかって蒸気爆発するらしい。専門家によれば、今落ち着いているどころか、隣にあるもっと大きなカトラ火山もいつ爆発してもおかしくないとのことで油断は出来ないらしい。

それにしても、今回の爆発では、世界800万人に影響があり、航空業界では1日あたり約380億円の損失、総損失は約2800億円以上になるらしい。
アメリカテロを上回る損害との事。しかし、自然のなせる業、どうしようもない。
人間の小ささを時に自然は痛いほど教えてくれる。
しかし、また自然の驚異から人間の英知も磨かれ、いかに自然と共存していくかを模索していく切っ掛けになるに違いない。

(依正不二=環境と人間)
このように地球も生きている限り、人間と同じく様々な表情を見せてくれている。
仏法の言葉に「依正不二(えしょうふに)」といって地球環境(依報)と人間世界(正報)は二つであって二つでない(不二)と説かれている。
つまり、環境と人間は、切っても切れない密接な関係があり、この二つは根底では繋がっていると捉える。数年前、ニューヨークで大清掃運動が始まって町が綺麗になったら、犯罪数がうんと減少したとの報告があった。
人間の心と環境はつながっている証拠だ。自然を守っていこうとする本来の人間らしい心が、自然を守る行動になり、自然も人間もお互いに調和し守り合う結果を生む。当然のことなのだが・・・

(心身不二=精神と人間)
東洋医学でも、人間の精神と身体の関係は上記のように、不二で切ってもきれない密接な関係があることは数千年も前から言われている。
最近、パーキンソン病を患い手も足も震えが止まらない患者さんが来られている。
彼女のバックボーン、それは苦労の連続で今もなお様々な問題が山積している。
「心を乱すと震えがひどくなるでしょう?」と言うと、「そうなんです。でもいつも色んな事に振り回されてイライラしていつも心が乱れるんです。どうしたらいいのか?」と言われた。
パーキンソンだけでなくアトピーや様々な疾患もストレス(緊張)がかかると悪化する傾向が日常かなり多く見られる。
「入院して身動きできないご主人を思うと、あなたは美味しいものも食べられて、歩けて、話せて幸せですね」というと、「本当ですね、私、毎日毎日愚痴しか言ってなかった。感謝しないと・・・」と。

(プラス感謝)
「心が乱れる」ではなくて、「心を乱す」張本人は実は自分自身。
乱れた心に「プラス感謝」が入ると、停滞していた「気」が全身をめぐり出し、症状も加速度的に良くなっていくことは本当によく見られる事実だ。
このパーキンソンのご婦人もいっぺんに表情が変化した。
眉間の濃いしわが無くなり柔和に。この心の変化こそ、悪循環していた環境を、今度はいい循環に、幸せな循環に方向転換していく舵を握っている。

病気が不幸なのではなく、心が萎えていくことが悲しい。
病気は時に深い生き方を教えてくれ、味わったことの無い優しさをも感じさせてくれる時がある。病気をも人生の味方に。
どんな問題をもいい方向に舵を向けていけるのは、ひとえに本人の「生命力」にかかっているのではないか。環境をも変えていける自分の心(生命力)を沸き立たせて。

どんな人間にも、先日の火山の如く、すごい生命力があると信じてやまない。
その生命力を引き出すために、悪循環の方向転換を心身両面からさせて頂くために、臨床家として日々感性を磨いていきたい。
そのために、自然に感動し、人間に感動できる1日1日であり続けたい。

記事検索

最近の記事

月別バックナンバー