(きっかけ)
私は今、少し乗馬をかじっている。鍼の師匠が乗馬歴40年以上の大ベテラン。「楽しいぞ」と乗馬を勧めて下さり始めることになった。
乗馬はまず、馬から体温の温かさをもらえる。そして何と言ってもバランス感覚が身につく。また、股間のところに会陰(えいん)という大切な、しかし刺しにくい穴(つぼ)があり、そこを刺激できる等など・・・たしかに東洋医学から見ても利点が沢山ある。
しかし、優雅にパカパカとは遠くかけ離れ、あまり走ってくれない馬に30分乗っただけで2時間くらいサウナに入ったほどの汗、そして筋肉痛。
まだまだ新米の私は、健康より病気になるのではと思うほどの体力消耗状態に・・・
(大腿部の筋肉痛)
1週間ほど前、乗馬の後、左太もも内側の筋肉を傷めた。いつもの筋肉痛と思っていたら・・・どっこい!先日行われた鍼の研修会の後の懇親会でビールを飲む事コップ6杯程。
それがたたって、次の日の朝、激痛で歩くのもままならず。
みると筋肉痛だった内側大腿部が赤く腫れあがっていた。歩くのも大変な中、2日目の研修会に足を引きずり参加した。
研修会は鍼灸師の集まり、ベテランの先生に鍼をしていただきかなり歩きやすくなった。
ベテラン先生から「昼食はすぐ食べず、少ない量にして」とアドバイスを受けた。
にも関わらず、お弁当をぺろりとたいらげた。
患者さんに偉そうに言えないと思いつつ・・・
食べ終わると案の定、再び痛み出した。
(自業自得の治療)
さて、何故単なる筋肉痛が赤くはれ上がって痛み出したのか。
東洋医学を学ぶ者なら簡単な道理。
大腿部内側といえば、脾経(胃に関係が深い)が通っている。
最近食べ過ぎの運動不足で脾胃に負担をかけていた上、便秘する事2日間。身体の中に熱を溜めていた私。
つまり、脾胃に負担をかけ、弱らせていたところ便秘、アルコール摂取により内熱が盛んに。
私は熱性タイプなのでこの事が引き金になったと思われる。
そしてパクパクと昼食をとった事により再び内熱がこもり痛み出したのだ。
自宅に戻り自分でまず熱をとる治療をと足の親指の爪のキワを鍼でちょんと突いて血を出した。
すると、驚いた事に血が吹き出て何度も飛び散った。その時間30分間だから恐るべし。どの患者さんより湿熱を溜めていたのだと猛省した。
そして中国語の先生から頂いた漢方薬の湿布を貼った。
次の日は勿論、熱感も腫れも引いて、あと少し痛みが残る程度になった。
(師匠の鍼)
2日後、鍼の師の下に。今回の事を簡潔に伝えると「湿熱だな、よし分かった」と一言。
わくわくしながら治療を受けた。先生の鍼は2本だった。
いろいろ教えていただきながら選ばれた穴は、足の大都(だいと)という熱に関係が深い穴と、後けい(こうけい)という穴だった。
治療が終わったら、すっくと起き上がり化粧湿へ一目散。
何と大量に湿熱を排泄させて頂いた。お通じがあったということだ。
先生と鍼に感謝しながら、今回は本当に貴重な体験をさせて頂いたと帰路についた。
今年の夏は毎日ひどい猛暑。平素から食べすぎや便秘で内熱をためている人。本当に要注意~!
(世論調査)
7月1日付けの読売新聞に健康に関する世論調査が掲載されていた。
ここには、国民の8割が日頃から健康管理に気を配っているとの事。
同記事に、聖路加病院の日野原重明先生がコメントされていた。国民の健康への意識の高まりには過度の宣伝が影響している面もあると。
同時に身内や身近な友人知人が病と闘っている人が多いことも8割の理由のひとつではないか。
闘病の大変さは想像を超える。
数年前、私の友人がある大学病院の外来受付のアルバイトをしていたが、一日なんと2000件以上の電話を受けるらしい。医療も様々に革命が起こっていると言われているものの病人は増加の一途をたどっている。癌も死因の第一位となり、年間の癌の死亡者が39万人と数年前の30万人を遥かに突破している。
この現実を医療関係者や製薬会社の人たちはどのように考えているのだろうか。
本音を聞いてみたいと思うのは私だけではないだろう。
(氾濫する情報)
日野原先生が健康に関して、「氾濫する様々な健康法の是非を選択し見抜ける智慧を持ち、バランスを取ることが大事だ」との趣旨のコメントをされた。私も全く同感だ。
健康食品などの宣伝の効果が大きければ大きいほど、それらを選択するこちらの認識力も問われてくる。最近感じるその最たるものは「にんにく卵黄」だ。
これを食べていれば健康でいられると信じている人の何と多いことか。
こちらが熱性の体質ならばにんにくは火に油となる。
それは熱に熱を重ねることになり、アトピーや便秘などの熱性の疾患は悪化することは間違いない。そればかりか、体の中に熱をためておけば癌になる確率が高くなる。
自分が熱性かどうかは①便秘症である。②尿の色が一日中黄色いか泡が出る。③舌の色が真っ赤。④冷飲を好む。などで分かる。
私も熱証なのでニンニクを食べた人の近くにいたら熱を感じて気分が悪くなるほどだ。
といっても私もたまにはニンニクが入ったイタリアンや焼肉も食す。つまり過多にならないことが一番大事といいたい。
明治、大正、昭和ひとけた代の皆様の食事を考えれば今、糖尿病、ガンなどの熱性の疾患が多い事は本当に納得できる事だ。
運動と食事のバランスの大きな崩れが健康を害していることは。
(健康状態で気にしていること)
20代の1位ストレス、2位疲れがたまる。
30代の1位ストレス、2位肩こり・腰痛・関節痛。
いよいよ30代に入ってストレスが肩こりなど具体的に症状に現れてくる。
40代の1位肩こり・腰痛・関節痛、2位ストレス。
とストレスによる症状が1位に踊りでる。
50代の1位視力の低下、2位肩こり・腰痛・関節痛。
さあ、老化現象がボチボチやってきた。
60代70代の1位2位とも50代と同じだったが、60代70代の3位に高血圧があがっていた。
やはり、長年お世話になっている分、血管も硬くなったりと、かなり気をつけないと、病に火がついてしまう。
若いときは肉系や油物が多少多くても代謝能力が高い分、身体への影響も少ないが、年齢がいっても若いときと同じような食事をしている人は余程運動を日常的にしていないと必ず病が顔をだす。
それにしても、20代から健康状態で気にしていることにストレスをあげていることにも注目したい。
日野原先生も言われているように、ストレスつまり、精神的緊張を日常感じている人が多いのだ。
またそれが自分の健康に悪影響を及ぼすことも実感しているのだろう。
過度の緊張をゆるめるお笑い、スイーツ、マスコット(おじさんが密かに持参している)などが大流行しているのも自然と自己防衛しているのだと思うと人間が心から健気に感じてしまう。