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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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2016年6月19日(日)

東洋医学で見る病の原因③

橋本伸浩です。前回は外感の中で六淫と呼ばれる気候の異常な変化による病邪【風・寒・暑・湿・燥・火】の内、風と寒について解説しました。今回東洋医学で見る病の原因③では火・暑・湿・燥邪について解説していきます。

火邪・暑邪

火と暑は元来自然界の灼熱の気温のことですが、熱性をもつ事物のすべてを火邪、暑邪に分類しています。病変の特徴として、温熱の陽邪なので高熱・悪熱・多汗・舌が紅などの熱所見が現れます。火の性質として上に昇る性質があるため、上部を火邪が犯して目の充血や口舌のびらん・頭痛・めまいなどが見られ、心神に火邪が入ると焦燥感・不眠・ひどいと狂躁や意識障害が起こります。

陽熱の邪は毛穴が開く性質があり、多汗の状態になり、口渇・多飲・尿が濃いなど見られ、汗とともに「気」も外泄するので身体の「気」が足りない状態「気虚」となり、息切れ・無力感・ひどい時は突然昏倒したりします。なお火邪や暑邪を感受すると、汗が出なくても身体の水分が消耗され減少し、口渇・冷たい飲物を欲する・便秘・舌が紅く乾燥などが見られます。

現代医学でいう熱中症などはまさに火邪・暑邪が身体に襲って来ている状態です。気温が高い日は自覚的に暑くなくても、口渇や冷たい物が欲しくなる、いつもより尿が濃い、無気力を感じた場合は身体に熱が篭っている状態ですので、クーラーをつけたり、脇の下を冷やすようにしましょう。

火邪・暑邪の影響を受けやすい人は、汗をかきにくい人、辛いものを好んで食べる人、普段から暑がりな人です。これらの人や身体に熱が篭りやすい人や、冷たい物ばかり飲む人は火邪・暑邪の影響を受けやすいので辛い食べ物やにんにくなど体を温める食べ物は避け、身体を冷ます食べ物(ナスやキュウリ、スイカなどの夏野菜)を食べることが重要です。

湿邪

自然界の水湿の邪であり、梅雨時期など湿度が高い環境、汗をかいて湿る、雨にぬれるなどで湿邪を感受し発症します。

湿邪は脾胃(胃腸のこと)の機能を低下させやすく、気の滞りを起こし、陽気を損傷しやすい特徴をもつため、頭がボーッとする・しめつけられるような頭重感などを生じ、胃腸の機能低下による悪心・嘔吐・腹満・下痢などがみられます。

また湿邪は重濁で粘膩の特徴があり、経絡の流れを阻滞すると頭重・身体が重だるい・四肢がだるく痛む・しびれなどが、関節に侵入すると疼痛・動かしにくい・水腫などが見られます。

湿邪の影響を受けやすい人は肥満体質の人、甘い物をよく食べる人(やせていても)、川や湖など周りの環境の湿度が常に高いところに住んでいる人などです。

湿度が上がると身体がしんどい・膝の関節が痛みだす人などは湿邪の影響を受けているので、油っぽい食事や甘い物、もちやもち米をつかったおかきなどは避け、身体の水分を出す食べ物(トウガンやレタス、ハトムギ茶、小豆など)を食べることが重要です。

燥邪

燥は気候の乾燥のことを指し、秋の主気です。特徴として津液(身体の体液の総称)を損傷し鼻腔の乾燥・口渇・咽の乾燥・乾咳・皮膚の乾燥皸裂・髪がぱさつく・便秘を引き起こします。また燥邪は肺に影響しやすいため呼吸器関係(鼻・咽・皮膚)の乾燥が起こります。

秋になると上記の症状がでる人は燥邪を受けている状態ですので部屋の湿度や皮膚が乾燥しないように保湿液を塗ることが重要です。

2016年6月13日(月)

勉強会での学び

平野真奈です。

今日も充実の鍼灸の勉強会でした。
内容は、1日中「体表観察」といって、体のツボの診方を教わる実技でした。
体にはたくさんのツボがあるので、それぞれの骨格や体型に合わせてツボを診、体内の状態を東洋医学的に探り、治療へと繋げていきます。
触れる時は、北辰会は「フェザータッチ」といって繊細なタッチをします。
理由は、人間の体は敏感ですので、雑な触り方をすると、ツボの状態が変わってしまい、本来の体の情報が得られなくなってしまうからです。
患者様に苦痛を与えることなく、術者はツボからの情報を感じとれるようにならねばなりません。
全て掌で触れ、探っていく為、術者の手が温かい事、敏感であることはもちろん、こちらの心持ちも全て相手に伝わります。

今日学んだことは、診るツボだけでなく体全体を意識した上で、フェザータッチのままツボの状態を3Dのようにとらえられたら…と何個も課題があり私には難しい…(>人<;)
頭ではわかっていても、いざやるとこれが本当に難しいです。
診よう診ようとするあまり、変に体が力んでしまったり、実技指導の先生に自分の体の使い方のクセ、ツボの捉え方など細かく丁寧にみっちり教えていただき、本当に勉強になりました!

教わり身に染み込ませた内容を、明日からも臨床で活かせるよう、今日の事を忘れず頑張っていきます!

2016年6月3日(金)

野菜の陰陽

吉田綾乃です。

今回はお料理と東洋医学について書きます。

先日、久しぶりに筑前煮を作りました。レンコン、ごぼうがメインの根菜だらけの筑前煮です。下ごしらえが面倒で、遠退いていたメニューですが、心も身体も温かくなりやっぱり美味しかった(^ ^)

私は食べる事が大好きで、グルメ本、料理雑誌、薬膳料理本などを目の保養としてよく見ます。見ているだけで、食べたつもり、行ったつもりになれるのが嬉しくてたまりません。

東洋自然思想には、野菜にも『陰』と『陽』があり、自然の摂理を食卓に取り込み、心と身体を健やかに保つ、食養生の考え方があります。

例えば、土の上に出来る物は『陰』、身体を水っぽく、身体を冷やす働きを持ち、土の下に出来る物は『陽』、水分が少なく、身体を温める働きがあります。

不思議な事に調理法もこの陰陽を意識すると美味しさが増すのです。それぞれの野菜の癖が調和し、丸みのあるうまみを生み出すそうです。

例えば、陰の物は火の近くの鍋の下の方に、陽の物は鍋の上の方に並べるのです。菜葉は、鍋の火のエネルギーを受けて、上へ上へ上がろうとし、上部の根菜類達は、下に下に降りようとします。そして、うまみ同士がぶつかり合い、調和を生み出します。バラバラに入れるのと、出来上がりが全く違うそうです。

火の通りの早い菜葉を火の近くにするのは、個人的に抵抗感がありますが、自然の摂理を考えると納得出来ます。次回は試してみたいと思います。

食養生に美味しさをプラスして、食に興味の薄いご家族、ご友人、そして当のご本人の為の元気な毎日に役立てられたら嬉しいです。

毎日3度のお料理、何かと面倒ですが、細く長く、食養生を意識し続けていきたいです。

2016年5月28日(土)

東洋医学で見る病の原因②

橋本伸浩です。前回では病の原因として大きく2つ分けると外感と内傷に分別されると書きましたが、今回は外感について詳しく解説していきます。

外感とは自然界の季節・気候の変化、異常気象や環境が作り出す発病因子のことで、肌表や口鼻から侵入して発病させることが特徴です。

簡単な例を挙げると冬に身体を冷やして風邪を引く、夏に暑い状態で長時間居て熱中症になる、雨の日になると頭痛が起こるなどは、この外感の影響によって引き起こされるもので季節の代わり目に体調が崩れやすいなども外感が弱っている状態の身体に入ってきて症状がでるという可能性が高いです。

では外感を詳しく分けて見ていくと「六淫の邪」と「疫癘(えきれい)の邪」に分けることができ、六淫の邪とは自然界にある風、寒、暑、湿、燥、火は四季の正常な気候の変化を意味していてこれを「六気」と呼びます。気候の変化が異常になって太過や不及が生じると発病病因となり、風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪、火邪、湿邪、燥邪となり六淫と呼ぶようになります。

疫癘の邪とは強烈な伝染性を持ち重篤な病変を引き起こす病邪のことで、現代医学ではジフテリア、コレラ、エボラ出血熱などのことを指します。

今回は外感の中でも風邪(ふうじゃ)と寒邪について解説します。

風邪の性質

風邪による発病の特徴は自然界における風の特性と密接な関係がある。地表よりも上空の方が大気の流れが速いように人体においても上部に侵襲し、肺に影響を与えやすいです。
風邪が頭面部を傷害すると頭のふらつき・頭痛・顔面神経麻痺が、肺を犯すと鼻閉、鼻水、のどの痒み、咳などがみられます。また風邪は動揺して定まらないという特徴をもち、めまい・ふるえ・四肢のけいれんなどの症状が表れやすいです。
春の主気ですが四季を通じて存在していて他の外感病の先導になって風寒・風湿・風燥・風熱の邪となって侵襲します。風邪は五臓の中では肝の病変を引き起こしやすく、けいれん、後弓反張などの筋脈拘急、めまい肢体のしびれ、振戦やけいれんなどの内風が発生します。


寒邪の性質

寒は気温が低いことで、冬の主気ですが、他の季節でも気温が急に下がって保温を怠ったり、雨にぬれる・汗をかいて風にあたる・冷たい飲食物の摂取過多などでも寒邪を感受することがあります。
寒邪は人体の陽気を凝滞させ損傷しやすく、全身あるいは局部に寒冷現象が現れます。寒邪が皮膚に来ると悪寒して発熱し、冷たい物の飲食により胃腸に寒邪が入った場合腹痛、下痢、四肢の冷えなどが発生します。また寒邪は気血の運行を渋滞させて疼痛を生じやすくさせます。寒邪による疼痛の特徴は温めると軽減し、冷やすと増強することです。
寒邪は五臓の中では腎の陽気を損傷しやすく、むくみ・尿量減少または頻尿・腰痛・四肢の冷えなどを引き起こします。

2016年5月21日(土)


真ん中にスカイツリーを彫ってもらいました


底の模様はこんな感じで

平野真奈です。

ゴールデンウィーク中の話題が続きますが、めずらしい体験をしてきたので、そのお話を少しさせていただきたいと思います。

前から気になっていた、江戸切子の体験に参加してきました!場所はスカイツリーのふもとの浅草です。
江戸切子とは、江戸時代から伝統工芸に認定されているガラス細工です。
角度や光によって違った見え方がしてキレイですよね!
ガラスを削る円盤型の砥石(といし)は縦向きで高速回転しており、グラスの側面をあてて摩擦で削り模様が作られます。
削る砥石の素材もいくつかあり、彫る線の細さや深さなどに合わせて砥石器械を変えていきます。
さらに、ガラス破片がとばないよう、水を流しながら削っていきます。
素手でやる為、ケガをしないように注意しなければなりません(>人<;)

グラスの色は難易度順に、藍色→紅色→灰色→緑色で、理由は色が濃い程、手元が見えず、感覚で削っていくからだそうです。
削った部分は透明なガラスが現れ、模様となっていきます。
今回はグラスの底と側面に自由にデザイン→削り→失敗したら先生が直してくれるというので、安心して制作できました。
私は初心者の緑色を選びましたが、やはり難しい!手元が見えにくい上に、グラスの側面は丸い為、刃先とグラスとの微妙な圧加減で彫りの深さが変わってしまいます。
一回削るともう、もぅ後には戻れません。思っている場所とは違うところを削ってしまい、グラスに何度もキズをつけてしまいましたf^_^;)
先生に何度も修正をお願いして、スカイツリーも彫っていただき、無事に完成!

集中力・砥石とガラスとの微妙な圧力のバランスの難しさに職人さんは本当に凄いなと思いました。
デザインによって、ガラス細工ならではの繊細な綺麗さや光の反射加減が全く変わるので、芸術センスも必要なんだなと感じました。
何をするにもバランスがとれてることは美しく見えます^ ^
私も、江戸切子のように自分自身を削り、磨いていきます!笑

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