風邪は「万病の元」「百病の長」といわれ、様々な病を引き起こす元となり、死に至る時さえあります。
しかし鍼灸は、まさにこの風邪を見事に治癒させることが出来るのです。
西暦196~204年にかけて、張仲景(ちょうちゅうけい)という人が「傷寒論」という書を著しました。彼が生きた後漢末は伝染病などが流行し、多くの人命が失われた時代でした。張仲景の一家も、もとは200人以上の大家族だったのが、10年足らずで3分の2が死亡し、そのうち70パーセントが傷寒(風邪)による病死だったとされています。
そこで著わされたのがこの「傷寒論」だったのです。
内容は省きますが、1年以上通ってくださっている私の患者さんも、風邪を引いたら医者には行かず、飛んできて下さるようになりました。鍼がどれ程風邪に有効か、身をもって感じておられるからでしょう。
ここでは、風邪を引かないための予防法をご紹介します。
当たり前のことですが、実行している人は風邪を引きませんので、もう一度見直していきましょう。
1、外出後は手洗い、うがいを必ずすること。
(うがい は咽喉の奥まで塩水か番茶などで)
2、睡眠を充分にとること。
3、身体を冷やさないようにすること。特に首の後ろと足元。
4、風邪は絶対引かないと決めること。
5、温かい所から寒い所に出るときは、気合いを入れる。
6、室内を乾燥させない。
規則正しい生活をすることは当然の事として、以上のことなどを守れば、風邪はかなり避けることができます。
自分に抵抗力があれば、人が風邪を引いても罹患することはありません。もし風邪を引いて熱が出た時は、解熱剤にすぐ頼らず、にんじんジュースを何度も飲んでください。西洋にんじんを沢山買いこんで、すりおろしてガーゼで絞ってください。りんごを混ぜると飲み易くなります。面倒ですが、手ですりおろしたジュースは効果抜群です。胃腸にも良いですし、高熱が出なくなります。
この冬、一度も風邪を引かなかったと言えるよう気をつけていきましょう。