先日、患者さんが、診察中に大泣き…臨床現場では時々ある事ですが、私は殆ど何も喋って無いのにです。
そんな時の涙はきっと、悲しみでも喜びでも無いはず。多分、ただ涙が出るのでしょう。
こんな話も有ります。がんの末期の人が今生の思い出にと、若い時に活躍した舞台(ニューヨークらしいですが)の前に立った瞬間、涙が止まらなくなって…
その後、帰国して検査するとガンが完全に消えていたという事実。
笑いで病を治すというのはよく聞きますが、泣く事もかなりいいようです。
それにしても、涙を流される方…多いです。何かが詰まっていたのでしょう。泣く事で停滞していた気が動きます。それも鍼で、心の底をゆり動かしながら心身共にダイナミックに気を通じさせていく。そんな簡単には出来ませんが…可能ですから、鍼はすごいです。
ともかく、自然、音楽、本など、どんな方法でもいいです。たまには泣いて、自分の心を開放してみてもいいですね。
ところで、涙。海に戻るって書きます。きっと、涙の中に大きなものに抱かれてる安心感が有るのかもしれませんね…
先日、鍼の仲間達との夜な夜な?トークがあり、そもそも「病」とは何なのかという話に…
例えば、家庭内のいざこざが胃痛の原因だったり、夫の浮気発覚の日から奥さんの耳が聞こえなくなった等よくある事です。
このように、精神的な葛藤が病の原因だったり、病が精神的な苦痛を代役してくれる事もあります。
内科的には、当然、胃や耳の検査と投薬、というアプローチをしていきます。そして、それは、精神面でなく、耳や胃を治すという意味では、対処療法と言っていいでしょう。
では、我々もその病を取り除いて良しとすれば、同じく対処療法というのでは?という問題になってくると…。どうなのでしょう。
捉え方も考え方も自由ですし、患者さんもそれぞれ望む事の幅が違います。色々な意見を興味深く聞きました。
心と身体は繋がっているというのが東洋医学ですが、私も日々まだまだ分からない事の連続です。
ただ、鍼は身体から精神面へアプローチできると信じています。現実に、鍼をして精神状態が安定し、生活が変化していくのですから。だからこそ、どこまでも身体と心を丸ごと診ることが大切なのでしょう。また、通り一遍で無い人間学も必要不可欠です。
ともかくも、病は時代と共に変化しています。今の病が何を教えてくれようとしているのか、医療のあり方は何処に向かうべきなのかをしっかり見つめていきたいと思っています。
今日は、師匠の初講義でした。お正月食べ過ぎた重い身体を引きずって出かけたはずが…身体が軽くなっていくこの不思議。
短時間のお講義でしたが、一言一言がとても新鮮で何とも言えない気持ちが湧いてきました。心底嬉しくなってくるのですから。不思議、不思議…
プロとは何か、その決め手は何か、考えるべき事は何か、現代の病の捕まえ方などなど本当に明確でした。
そして何より私を元気にさせたのは、師匠の鍼に対するド迫力でした。まもなく臨床50年の貫禄と不動の信念は、私のちっぽけな取るに足らない考えを一気に吹き飛ばしてくれました。
生命力満々と。臨床家はこうでなければと、身を持って教えて頂きました。
鍼狂人の師匠の一念が、私の使命の琴線に感応したようです。
やはり私は鍼が心から好きなんだと思い知らされた初講義になりました。
初夢見られましたか?私は今ユングの夢分析に凝ってるせいか、ハッキリ見て直ぐメモしました。
夢は無意識世界の表現で、夢をみる事で、ある面、意識世界とのバランスを取っているらしいのです。
それも、意識的には心で納得したはずの事が、実はそうでなかった時、夢を通して納得させていくことがあるようです。
私は、数年前、母を亡くした時、一年間に渡って全く同じ夢を毎月見ていました。死んだ母が生き返って、私があの世はどうだった?と必ず聞いているのです。母はいつも、素晴らしいよと答えてるという夢です。
きっと、繰り返し同じ夢を見る事で、母の死後の世界に納得したのでしょう。それから一度も母が夢に出てくることはありません。
そんな私の初夢の一部に、久々に母が出てきました。母の姿も声も無く、その存在だけでしたが…
ユングの夢分析は、夢を見た本人がその夢の「意味を考える」事が大切で、この夢はこの様な意味というように固定化しないようです。
今年、皆さんも大いに夢をみて、ご自分の無意識世界を覗いてみてはいかがでしょう。きっと、何か新しい発見があるはずです。
明けましておめでとうございます!爽やかな新年をお迎えでしょうか?
今年は、更に臨床能力をアップして皆様のお役に立って参ります。
今年も新しい患者さんとの出会いに今からワクワクしています。
そして、今まで来て下さっている患者さんに、更なる喜びを、安らぎを、幸せを、沢山感じて頂きたい。今年もそんな気持ちでいっぱいです。
特に今、頭から離れない患者さんがいます。
彼は二歳のヤンチャなちびっ子で、難病で入院されてます。口から食事を摂ると色々不都合があって、鼻からチューブを入れて栄養補給してます。
なのに、ハイハイは誰よりもスーパー速く、泣き声も天まで届くほどです。
彼とは魂(心の深いところ)のつながりを感じてます。彼が来ると私の心が、どうしようもなく元気になってくるのですから。多分相思相愛ですね。
患者さんは本当に不思議な存在です。いつも鍼灸の素晴らしさを私の命に叩き込んで下さいます。
二歳のヤンチャさんは、今年どれほど良くなるか楽しみで仕方ありません。彼もそれを感じているはず。
人と深く繋がっていく東洋医学の世界を、今年もどんどん広めていきたいです。