先日研修会でご一緒した先生からサプライズプレゼントがありました。ピンクの胡蝶蘭。とっても元気が出る色です。
実は、大切な方のお誕生日が続いて、ピンクの胡蝶蘭を二つプレゼントしたところでした。私も欲しいなっと思いつつ買わなかっただけに本当に嬉しかったです。
胡蝶蘭は、その花びらが蝶が舞っているように見える事から命名されたようです。
東洋医学でもゆかりの深い荘子の「胡蝶の夢」の説話が思い浮かびました。
荘子の見た夢の中にひらひらと飛んでいた蝶。目が覚めて、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、と考えます。
ここに夢と現実との対立がありますが、荘子は、どちらが真実の姿かというのは、問題ではなく、そのいずれも真実であるとしています。
ですから、どちらが真の世界であるかを論ずるよりも、いずれをも肯定して受け容れ、それぞれの場で満足して生きればよいという事です。生と死、大と小、美と醜、貴と賎などに囚われずに。
荘子は、「無為自然」や「万物斉同」の考えでよく知られてます。簡単に言えば、つくろわず自然のままに、森羅万象の一切がひとしく同じとの意です。荘子はこの境地に達すれば自在に生きていけると言っています。ちょっと難しそうですが。
ところで、胡蝶蘭の花言葉は、「幸せが飛んでくる」だそうです。送って下さった先生がそうでありますように…
師匠がご自分のブログ上に「流行る鍼灸院とはやらない鍼灸院」の連載をして下さり、20回目になりました。
「鍼狂人の独り言」
http://blog.livedoor.jp/fujimoto1005/archives/cat_10047434.html
色々な角度から書いて下さり、楽しくて、毎朝、目が覚めたら直ぐ拝見しています。
師匠がこのブログに関して、「人間は機械じゃない事を分かって貰いたい」と言われた一言が心に深く残ってます。
ちょっと私も便乗して「流行る鍼灸院について」をこれからの人の為に、思うままに書いてみたいと思います。自分の事はさて置いてです。
先ず、よく勉強している事、プラス、感覚センスに優れていて、きちんと病気を治している事が一番だと思います。
その上で、術者自身にみなぎる生命力と情熱(誇り)がある事。これは、表面に出ている人と、奥に潜んでいる人のタイプがあるように感じます。案外、表面が静かな人の心の奥は炎のように燃えているものです。
最後に、人間に対して謙虚であって、傲慢さが全く無い事ではないでしょうか。
これらの要素が揃っていれば、将来必ず多くの患者さんが集まって来られると確信します。いつも人で溢れている師匠の鍼灸院の如くに。
患者さんは本当によく「感じている」ものです。それは、その診察が体表観察が中心で、直接手で肌を触れ合わせているから尚の事でしょう。冷静にこちらを感じて下さっていると思います。
こんな鋭い患者さんに日々ドキドキしながら、これからも師匠のブログを慎んで拝していきたいです。
先週、小学一年生のオテンバ娘さんと今シーズン最後のスキーに行きました。
一歳の頃から鍼をしてアトピーも喘息も治り元気になったご褒美です。彼女とは会えばじゃれ合って無邪気なものですが、会話は中学生レベルです。
そのオテンバさん、まだスキー経験二回なのに、恐がる様子もなく凄い勢いで滑っていきます。
目を離せばひとりでリフトに乗り込んでいます。
そんなオテンバさんが、振り向くと見当たりません。遠くの方で倒れて担架に乗せられているのです。男性とぶつかったらしく、その男性のストックが曲ったとのこと。その上、その人、ストックを直すとサッサと逃げた様です。酷い大人。。。
駆け寄って顔を見ると、目がパッチリと。よかった。子どもは痛かったら痛い顔をします。パッチリは、驚きの顔です。
直ぐに脈と舌を見ました。まずは大丈夫です。
打撲したお尻を触ると、熱感があって少し腫れています。頭に一本鍼をしました。鍼は本当に便利です。スタスタと何事も無かったように歩いてます。
帰りは打撲より、車酔いで途中下車。入った喫茶店のパンの匂いが吐き気を誘発する様で、外で手首辺りにあるツボに鍼をしました。
直後、たくさんお通じがあり、お腹空いた~とパンをたくさん食べて帰りました。
それにしても、朝、今日の事故を予感したので、こんなに軽く済んでと胸を撫で下ろしました。
何か大いなるものに守ってもらったようです。感謝しかありません。
立春は過ぎてもまだ空気は冷たく、でも日差しはポカポカ。こんな季節ほど気をつけて下さい。
今日の実千代鍼灸院は、午前中大変な騒ぎになってました。
待合室での風景です。ある精神疾患の患者さんは、キリで頭を刺されるような痛みに頭をかかえ、疳のキツさが半端ない子どもは、痙攣する程に興奮し、そこへ子ども好きの女性が来られ、頭のてっぺんから可愛い~と叫びに近い奇声を発してます。
新患さんは、色々気になるらしく質問攻撃で待合室と診察室をウロウロと…とにかく賑やか至極でありました。
昔から言われるように「頭寒足熱」こそがバランスのとれた状態です。
でも、今日のような日には、真逆の「頭熱足寒」になり患者さんの気は天高く上がっていきます。
結果、頭痛、めまい、耳鳴り、ひどいと嘔吐など、上部の症状が圧倒的に多くなります。
反対に下半身がとても弱い人は腰痛を訴えられます。上下のバランスが大きく崩れるからです。
さて、こんな時は先ず待合室のドアを閉めて、加湿や暖房を落とし診察室での空間を整えます。
次に、私の声も普段より低めに、ややゆっくり話しかけ必要以上には話しません。人によりますが鍼の置く時間も短めにします。
案外、肝気が昂ぶっている人に限って、自分に気付いていないものです。
陽気の強い子どもが食べたら鼻血が出るような、チョコ、ピーナッツ、また、珈琲、緑茶などのカフェイン類は避けた方が得策です。
そして、寒くても、とにかく歩いてみてください。
肝気は下がって、鍼の効果は倍速に上がりますから。
診療所で感動した小さくて大きな出来事です。
先日、ある患者さんの事で師匠から様々アドバイスを受け、翌日再び報告する事になっていました。
その患者さんは、まだ話しも出来ないチビちゃんです。
一度だけ師匠の治療を大泣きしながら受けたのですが、とても賢い子です。時々私の治療所に貼ってある師匠の顔を指差します。ちゃんとお顔覚えてるのですから。
師匠に報告する日、その子が来院してきました。すると貼ってあった師匠の顔を何度も指差すのです。何回も何回もです。びっくりしました。思いが通じあっている。
その姿が可愛くて笑ってしまいましたが、本当に不思議な事です。離れていても、一回の出会いでもこんな風に通じ合えるのですから。
師匠の鍼への思いは一瞬もブレる事がありません。まさしく不動鍼です。純粋無垢な子どもは、そんな熱い思いを直ぐキャッチしてしまうのでしょう。
でも、本当はもっと深い意味がある事に気づきました。
思えば、その子は最近師匠の顔をよく指差していました。
「ちゃんと、師匠から教えてもらって僕の勉強してね」のサインを私に送ってくれていたのでしょう。師匠とのやり取りが始まってから顔の指差しは無くなりました。
我流無く、微塵の慢心も排してという意味だったと受け止めました。