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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2006年12月25日(月)

Vol.3不眠その1

先月の新聞に「国内では大人の5人に1人が不眠を訴え、60歳以上ではほぼ3人に1人に増加」とありました。
患者さんの訴えでも、1時間2時間たっても寝付かれない、時間は充分に寝ているのに寝た気がしない、小さな物音で目が覚める、一度目覚めたら眠れなくなる、変な時間に目が覚める、睡眠薬無しでは眠れない・・・などなど様々です。
東洋医学では不眠をどの様にとらえているのか、またその解決法を考えていきたいと思います。

①なぜ人は眠るの?

・簡単な陰陽論

陰陽とは中国古代に現われた哲学上の言葉です。森羅万象のあらゆる物は、陰陽という一対の対立概念に全て属すという考え方です。
分かりやすく言えば、人間を男女に分ければ、男が陽、女が陰。
自然界の天地を分ければ、天は陽、地は陰。暑は陽、寒は陰。昼は陽、夜は陰。
位置では、上は陽、下が陰。表が陽、裏が陰。
性質では動が陽、静が陰。といった具合です。
このように一切の事物、状態には対立する2つの側面が必ず存在します。
相対的に静止し隠れるという傾向にある要素は陰に属し、反対に相対的に活動的で顕在的な要素は全て陽に属するという原則がありあります。少し難しいかも知れませんが陰陽論は東洋医学にとってとても重要な考え方です。

・陰陽から睡眠を考えると。

先ほどの陰陽論では昼が陽、夜が陰でした。時間で言えば陽気が充満している時間は昼の12時。陰気が充満している時間は夜中の0時となります。
昼の12時から夜中にむかって、少しずつ陰気が増していき、夜中0時に陰気が満杯になり、また正午から陰気がだんだん少なくなっていき、つまり陽気が増していき昼12時に陽気が満杯になる。この繰り返しです。
人はこのように、陰気が充満している時に眠気が来るのが正常なのです。
例えば夜中話に夢中になったり、アクション映画を見たりして興奮すると陽気が高ぶって寝つきが悪くなるという経験があると思います。
また、朝起きにくい人は陽気が少ない=寒がりの人が多いともいえます。

睡眠を研究している小林教授は「睡眠は体温と深く関係している。健康な人は朝方になると体温が上がり始め目が覚める。夕方に体温が最高点に達すると、今度は下がり始め次第に眠くなる。」といわれています。
したがって、寝る時間に陽気を高ぶらせないこと、普段から陰気を蓄えておくことが大事になるのですが、ではどうすればいいのでしょうか、考えていきましょう。

2006年12月17日(日)

Vol.2ノロウイルス予防に梅肉エキスを!

今年、強力な感染力を持つ「G2ー4型」のノロウイルスが全国で猛威を振るっています。
11月13日から19日迄だけで約5万人、12月に入ってからの1週間では約6万6千人が発熱、嘔吐、下痢などの胃腸症状を訴え、過去最悪のペースで広がっているとのこと。
まだまだ増加し続け、12月末には最もピークになるらしい。

原因として東洋医学の観点から簡単にいえば、秋冬は乾燥の時期であるにもかかわらず今年は湿気が多く、また温暖化の影響からか平年より気温が数度高く12月に入ってからも暖かいことから、ウイルスが非常に繁殖し易い、「湿熱」という条件下にあるといえます。
人体の面から言えば、今年は夏が暑かったため、発汗が多く「気虚」(元気不足)となっているところに、飲食過多などで脾胃(一般には胃腸)を痛め、胃腸症状を発症するこのウイルスに感染しやすくなっているのです。
したがって、平素から湿熱体質で、脾胃を弱らせている人がたやすくウイルスに感染してしまいます。
その上、子供や老人、病気の人などは抵抗力が弱っているので、非常に症状がきつく治りにくいといえます。

下記に予防法を紹介します。

1、手洗いうがいの励行。
2、脾胃を傷けることを避ける(暴飲暴食、寝不足、強烈な   ストレス、運動不足)
3、魚介類などの生ものを食さない。
4、梅肉エキスを毎日、少しづつなめる。
5、乾燥している時は、部屋を保湿する。

以上のことを守れば、強力なウイルスであっても感染をかなり避けることができます。特に梅肉エキスは身体の熱(体温とは関係ない)を取りますので感染しにくくなるのです。
ぜひお試しください。

2006年11月26日(日)

Vol.1風邪

風邪は「万病の元」「百病の長」といわれ、様々な病を引き起こす元となり、死に至る時さえあります。
しかし鍼灸は、まさにこの風邪を見事に治癒させることが出来るのです。
西暦196~204年にかけて、張仲景(ちょうちゅうけい)という人が「傷寒論」という書を著しました。彼が生きた後漢末は伝染病などが流行し、多くの人命が失われた時代でした。張仲景の一家も、もとは200人以上の大家族だったのが、10年足らずで3分の2が死亡し、そのうち70パーセントが傷寒(風邪)による病死だったとされています。
そこで著わされたのがこの「傷寒論」だったのです。
内容は省きますが、1年以上通ってくださっている私の患者さんも、風邪を引いたら医者には行かず、飛んできて下さるようになりました。鍼がどれ程風邪に有効か、身をもって感じておられるからでしょう。
ここでは、風邪を引かないための予防法をご紹介します。
当たり前のことですが、実行している人は風邪を引きませんので、もう一度見直していきましょう。

1、外出後は手洗い、うがいを必ずすること。
(うがい は咽喉の奥まで塩水か番茶などで)
2、睡眠を充分にとること。
3、身体を冷やさないようにすること。特に首の後ろと足元。
4、風邪は絶対引かないと決めること。
5、温かい所から寒い所に出るときは、気合いを入れる。
6、室内を乾燥させない。

規則正しい生活をすることは当然の事として、以上のことなどを守れば、風邪はかなり避けることができます。
自分に抵抗力があれば、人が風邪を引いても罹患することはありません。もし風邪を引いて熱が出た時は、解熱剤にすぐ頼らず、にんじんジュースを何度も飲んでください。西洋にんじんを沢山買いこんで、すりおろしてガーゼで絞ってください。りんごを混ぜると飲み易くなります。面倒ですが、手ですりおろしたジュースは効果抜群です。胃腸にも良いですし、高熱が出なくなります。
この冬、一度も風邪を引かなかったと言えるよう気をつけていきましょう。

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