先日も、ある患者さんの「迷い」をお聞きしました。かなり深刻な内容です。
色んな方の意見を聞くほどに、余計に迷ってしまうパターンでした。
私も、色々迷ったりしますが…と言うと、え?先生も迷うんですか?と驚きの声。。。
そんなに決断力があるように見えるのでしょうか。それは、錯覚です。
迷いますよ。でも、ある程度迷って、結論が出ない場合は、ほっておきます。すると、突然、決断する時がやってくるんです。とお答えしました。
迷っているうちは、無理に決めようとしない事も大切です。
数日前、本当に、突然、決断した事がありました。仕事の件ですが。
この決断してからの速さ、我ながら驚きます。それも、今まで考えていた事の執着も無く、具体的な構想も無く、決断だけが走って行きます。
慎重な方からすれば、危なっかしいと思われるでしょうが、ピタッとハマるか、ハマらないかが、私にとっては重要なのです。ハマった…時です。
小さな事も、大きな事も、失敗も、成功も、自分が決めた事の連続が今の自分です。
限りなく楽観的に進みましょう。
二年ぶりに来院された患者さん…妊娠八ヶ月でした。
二子目のお子さんですが、成長しておらず、数日後の検査でも同じなら入院…ということでした。
赤ちゃん動いてる?と聞くと、それが、動いてないんです。少しトンってするくらいで…と言われます。
脈、舌、ツボ、色々体表観察して、お腹を触りながら、「お利口さんだね~大きくなるんだよ」と声をかけました。
しばらく手を当ててると、あれ、動いてます。「この子、動いてるよ」「本当、このグニュグニュした動き、一回も無かったのに。。」と驚かれてます。
それにしても、手を当てただけで…こんなに反応してくれる赤ちゃん。
その後、金の古代鍼を数秒かざして、そのまま休んでもらいました。その間、ずっと動いていたらしく、その上、八ヶ月にしては確かに小さく、ダランとしていたお腹も、締まった感じになりました。
赤ちゃんは、ちゃんとこっちの話、全部聞いてるから、「お利口だね~」って毎日、撫でてあげてねと、お伝えしました。心配ばかりされて余裕が無かったのでしょう。
もう少し早く来て欲しかったですが、入院しても、きっと元気に産まれてくると、信じます。
この子、生命力がとっても強いですから、大丈夫ですよ。
よく師匠が、私達に、「何故、鍼がこんなに効くか分かるか。
鍼も確かにすごい、でも、術者にパワーが漲っていてこそなんだ」と言われます。
今年の夏は、酷暑に湿気が加算され、今、体グタグタの人、多いでしょう。
特に、この夏で、胃腸を弱らせてしまった人は、みなぎる生命力どころではありません。
そんな方は、目に力が無いから直ぐ分かります。
目を見れば、弱り具合の予測がつきますし、ツボにもハッキリ出ます。よって治療戦略も変えていきます。
こんな方は、食べたら眠くなる、夜遅くまで起きれない、気力が突然無くなる、横になりたくなる、手足が怠くなる等々、訴えられます。
これを東洋医学では、気虚と表現します。気が虚す…みなぎる生命力の真反対です。
私は、有難い事に、この気虚が殆どありません。師匠の鍼と、その漲る生命力のお陰です。
俺はね、皆から嫌がられるほど元気なんだと、私の肩をバシバシ叩かれながら、大笑される師匠の声、聞こえてきました。
難病の小さい男の子が、発熱をきっかけに、20日間ほど入院してしまいました。
昨日、やっと退院し、病院から、ご家族全員で来られました。
毎日、毎日どれほど、首を長くして待った事でしょうか。
真っ青な顔、グッタリした体、大きくなってない、元気になってない…予想通り目の下に何十匹ものクマ乗せて。。
よく頑張ったね。待ってたよ。また元気になろうね。と目を見て話しかけると、深く静かな真剣な目を返してくれました。
胸が、かきむしられました。あの顔を思い出すと、今も涙が止まらなくなります。
病院に長い間いて、この状態なのです。何をもって治療と言うのでしょうか?やめて欲しいです。
東洋医学では、内臓の中を直接見る事はできません、血液の数値がどうなっているか分かりません。
でも、そんな事は、一番大事なことでは無いのです。
一番大事なことは、患者さんの生命力を鼓舞できたのか、できなかったのか、これだけです。
その為なら、西洋医学、東洋医学、そんな事どうでもいいではないですか。
患者さん撮影
素敵な蓮に感謝して…
今、何件か、往診に行かせて頂いています。ご家庭に伺うと、様々な発見があり、治療に大いに役立つものです。
昨日も、動く事の出来ない難病患者さんのお家に行かせて頂きました。
ご本人は勿論ですが、ご家族の大変さは、経験しないと分かるものではありません。
それが、この患者さんの奥さんの明るさ…優しいひまわりの様です。
また、ご家族の連携プレーは、本当に素晴らしく、毎回感心してしまいます。ご家族皆さんが、見事に陰陽調和がとれているのです。
この様なご家庭を長年かけて作ってこられた、ご夫婦。私は他人ですが、大きな声で自慢したくなります。
私こそ、この御家族の皆さんに支えられながら、治療をさせて頂き、感謝しかありません。
一旦は病に倒れたようですが、実は、多くのものを掴んで立ち上がる為だったと、
御家族全員がこう確信するための闘い…これが、私の治療の根本精神です。妥協など微塵もありません。
患者さんと、そのご家族こそが、誰よりも胸を張れる、最高に誇らしい方々なのですから。