九寨溝の湖
九寨溝の滝
「今の心」と読んで念とすれば、念は目に見えません。でも、時間差で目に見えるようになります。
本当は、時間差が有るだけで、思った瞬間に、何処にでも、届くのが念なのかも知れません。その強弱や、感度の善し悪しがあるのは当然として…
患者さんの中にも、驚くほど感度がいい方がおられます。
思って、声に出して、スタッフに話したら、次に来られた時、聞こえてたかの様に変わってる…皆驚きです。
このような、以心伝心は、誰も経験があると思いますが、私も、たまに有ります。
そう考えると、今、何を思っているかは、とても重要な事です。
目に見える事の前に、自分の今の心、念の変革こそが必要なのでしょう。
特に、敏感な方、重症な患者さんに接する時の念…瞬時に伝わります。
甘い覚悟なら踏み込めません。大げさですか?影響力が大き過ぎるからです。
鍼を持つ事と、自分の人生は同じなんだ、との師匠のいつかの言葉を思い出します。
鍼には即効性が有るのか無いのかと問われたら、有ると即答します。
患者さんの感受性(気の動き)や病種により、その程度の差はありますが、鍼は、バランスをとるために、様々身体に働きかけてくれます。
一本の鍼で、実費。実際、何らかのメリットが無ければ来て下さいません。
ましてや、日本に西洋医学が入ってきてから、薬による治療が主流になり、服用=即効性を求める時代が今です。
鍼灸院には、薬でも、手術でも、何をやってもダメ、または医者からも治りませんと言われた方々も多く来院されています。
長くかかって患った病は、それなりの時間がかかるのは、当然です。
しかし、この様な状況下で、多くの方は、即効性を求めて来られるのです。
これも、鍼の素晴らしさを証明できるチャンスと思えば、ある面、ワクワクします。でも、甘くありません。
患者さんの、病治しに対する考え方、それをも含んでの、鍼の素晴らしさであり、即効性なのです。
東京ー大阪間が32年後には1時間で行ける時代が来るなんて。人間の英知は果てしなく…
片や、世界では人間同士が殺し合い…それを、武力行使で収めようとする、愚行。幼稚、野蛮、傲慢な心の成せる技です。
武力は、自分に力が無い事を証明しているのと同じ。精神性の高い人間のやる事でしょうか。たとえ、それが脅しとしても同じです。
『鍼灸真髄』という本の中に、「(前略)体が病むと心も病むものです。その証拠には、体がよければ気分がよく、心が平和です。どうも今の世には、体の悪い人が多いので、従って思想が混乱するのです。昔は、
医道乱れる時は国乱る
というて、なかなか医道を重く視たものです。秦の始皇帝なども、政道を正すために医道を正してをります」とあります。
今は、心が病んで、体が病む方々が多いように思いますが…
ともかく、人の上に立つ人間は健康でいて欲しいです。健康とは、バランスです。バランスは和平です。
疲れると、根気が無くなり、思考が野蛮になり、自然から逸脱し、子どもと庶民が苦しむだけですから…
何も罪のない人を苦しめるのは、悪魔の所為です。
臨床は、相手の心を掴めてこそ成り立ちます。
これは、西洋東洋関係ないのでは無いでしょうか。。。
鍼をするにしても、手術するにしても、患者さんの心をつかんで鍼やメスを持てるかどうか。
それによって、施術後の効果が天地程変わります。
それは、整体が、患者さんと術者の双方に応えようと働くからです。
心を掴むって、本当は簡単なんです。考え過ぎるから掴めないのです。
患者さんを大切に思ったら、自然に湧いてくる、その心を態度や言葉にするだけなのですから。
自分を大切にするように、相手を大切にする事です。
相手がどんな人であってでも…です。
東医は「遠くから近く」が鉄則。
子どもを観察していると、その無為自然さに驚く事ばかりです。
二歳の男の子が、0歳の女の子の小さな手を握ろうとしています。
少し離れた所から、女の子を暫く見つめ、少しづつ近づいていくのです。
それも、自分の手を後ろに隠して…笑ってしまいます。
女の子も警戒して、ジッと挙動を見つめています。互いにまばたき無しの真剣勝負。
しばらくして、そっと自分の手を出して、女の子の手を握る事に成功。この距離感のバランスの良さ、正に東洋医学的です。
満足気な顔。。。可愛すぎ…思わず写真に収めました。
苦労して掴んだ手です。今度は、中々離しません。女の子は大泣きという結末に。。。
東洋医学は、病のみたてや技術の他に大切な事が沢山あります。
愛、距離感、優しさ、厳しさ、集中力、柔軟性、冷静さ、反省、根気力…
子どもは、それらを網羅しています。全てに気負いなく、瞬間瞬間を生き切っている。それが子どもの偉大さでしょう。