更年期障害は、早い人では40歳過ぎから、長い人では何年間も、それらの症状に悩まされる事もあります。早めの治療が大事です。
特に、激しく働いてる人、生活に精神的ストレスが、常にかかっている人、つまりアクセル吹かしっぱなしの人は要注意です。
ここ鍼灸院にも多く更年期の方がお見えになります。
ある方、大きな病院の院長秘書です。朝、起きるとめまいで立ち上がれません。やっと起きても、めまいと嘔吐で仕事になりません。
これは、土台の「腎の臓」が弱ったため、「肝の臓」から、「胃の腑」に影響が及んだのでしょう。
またある方、やる気が失せて死にたくなると言われます。「腎の臓」から「心の臓」に波及してます。
またある方、イライラし過ぎて主人に物を投げつける。離婚しかかる寸前ですと。「腎の臓」から「肝の臓」へ酷く熱化してる状態です。
酷さの程度は人それぞれ差がありますが、皆さんお元気になられました。真っ暗なトンネルに一条の光…これが鍼の効果です。
50歳前後になると、月経の有無に関わらず、大なり小なり訪れる更年期障害。閉経すれば尚の事です。
体は正直、これも自然の摂理です。ジタバタしても仕方ありません。
前駆症状も人それぞれですが、特徴は「のぼせ」です。
東洋医学的に、簡単に言えば、生殖器等の機能を含む「腎の臓」が弱る事によって、「肝の臓」や「心の臓」の機能が、亢進する疾患です。
つまり、土台となる「腎の臓」の支えが弱った時、上へ上へと気血が上り「肝の臓」や「心の臓」に変調をきたすのです。これが更年期です。
「肝の臓」中心に症状が出れば、イライラ、ホットフラッシュ、五十肩、めまい、耳鳴り、不眠や入眠障害、手の強張りや関節痛等々起こり易く、
「心の臓」中心に症状が出れば、不眠、眠りが浅い、多夢、多汗、精神不安定、動悸、神経過敏からうつ症状等々が起こり易くなります。
土台の「腎の臓」の弱りが酷い場合は、やる気が出ない、根気が無い、物忘れがひどい、集中力に欠ける、腰が怠い、尿漏れや尿不利(出ない)、ふわふわして地に足が着かない感じ等々の症状が出ます。
顔や手の形などのパーツや、性格に至るまで、似てしまうのが親子です。私もよく声やカーテンの開け方まで先代そっくりと驚かれますが、遺伝子恐るべしです。
姿や性格が類似するように、体質(身体の性質)まで似ている事も見過ごせません。
親と同じ病にかかったり、人によっては同じ年齢に発症する方もおられます。
今年、40代で脳梗塞で倒れられた患者さん、お母様も同じ部位の梗塞をされています。命に関わる場所です。
若い時から、真面目に働き、海外出張だらけ、睡眠時間3~4時間、ラーメン大好物、30歳から高血圧です。
幸いにもリハビリと鍼治療で、来月から職場復帰の予定です。様々な運の強さを感じます。
それにしても、種が有る所、条件が整えば、このように、発症します。病に至る時期を早めてもしまいます。
性格が生活を作り、体質に対して条件を整えてしまう。。。
結果だけを見てある人は宿命という言葉を使ったりもしますが、その宿命、軽くし防ぐ事は可能です。
冷静な眼と温かい心、的確な診断と治療をしていきたいです。
「病気治しは、結局は人間を救うことだ」との師匠の言葉。先日、いつになく胸に刺さりました。
人間を救う…体も心も魂も一体の人間そのものに焦点をあてた一言です。
鍼で直ぐにバランスのとれる患者さんばかりではありません。
何て励ましてあげたらいいのか分からない時も現実にあります。
励ましたつもりでも、お顔が晴れてない患者さんもおられます。
冗談を飛ばしていても、毎日の臨床現場は、中々大変な戦場です。
そんな中での一言、人間を救う事。
思えば、自分も何度も、師匠の、多くの友の、深い優しさを感じながら、救われてきました。
恩返ししなければと感じます。
身体から心へ、優しさが響き渡る鍼を目指したいです。
来院される子供たち、アンパンマンを見つけると、テンションが最高に上がります。
アンパンマンの人気は、何十年経っても同じ、全く色あせませんから驚きです。
数ヶ月前、故やなせたかしさんが、
「人は人をイジメて喜ぶという、どうしようもない所がある。互いに、人を喜ばせる事が大事じゃないの?アンパンマンは自己犠牲の話しだけど、人の幸せのために生きてるよ~」
という趣旨のお話をされてました。
こんな作者の純粋な精神が、純粋な子どもの心に届くのでしょう。
人の喜びに心躍らせて、人の悲しみに寄り添う、これがアンパンマンです。鍼灸師もこうでなくては。
それにしても、食べられて半分になった自分の顔、何回でもジャムおじさんが作り直してくれるって…発想が最高です。
正義とユーモアと優しさがミックスされたアンパンマンは、人間の本来の心のまま、だから、いつまでも、愛されるのでしょうね。
アンパンマンを作って下さった、やなせさん、改めて感謝しつつ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。