自然の黄色には真の明るさが。
往診に行った時の事。患者さんの弾丸トークが止まりません。2時間以上喋りっ放し…。
今、心身の不調で外に出れず、様々、うっ積した思いが沢山あるのです。
私は、そうなんだ、うんうんと、ただ相づちを返すだけ。。。
話しの中には、恨み辛みが一杯詰まってますが、それを聞いてる私は、不思議と疲れを感じません。抵抗無しです。
笑った時、赤ちゃんの様な無垢な目を持ってる…そんな患者さんだからでしょうか。
この季節、山ツツジが美しい西宮
朝起きてから、ひどい吐き気、割れるような頭痛、悪寒という症状の方。
脈は痛さの為か、伏脈であまり触れない。
前日に、湯冷めをして寒い思いをした上に、数日に渡る過食。。。
寒邪を散らし、胃の気逆を下げるツボ。何処かしらと考え、体表観察を。
そこで、「申脈」というツボに多壮灸をすると、みるみるうちに、頭痛、悪寒、吐き気が無くなった。それっきり。
これもひとつの方法でした。
よく患者さんが、「感情が動いてるわけでは無いのに、鍼をすると涙が出ます」と言われます。
また鍼の後、患者さんのお顔が、晴れやかになっています。
ご本人が気付くかどうかは別にして、身体から、心、もっと深層の魂の部分まで届き、動かす作用が鍼にはあるのでしょう。
痛みや症状が取れるだけでない効果…
鍼は不思議です。
こんな沢山のバラ…感動しました!
桜が咲く頃は、特に気が上に上に上がります。一斉に草木が芽吹くからです。
気が上がり過ぎて、今度は下がったり、気分のUPダウンが忙しい季節でもあります。
ましてや、自然のままの子ども達は、容赦無くテンションが高くなります。
今日、仕事中、遠方で泣き叫ぶ声が聞こえてきました。
その声が近づき、ドアが空くと、けたたましい叫び声。あらら…子どもは遠慮無しです。素晴らしい生命力。。。
普段から肝気が高く、じっとしてられない3歳の女の子でした。
お母さん、何度も外に連れて行っては戻ってきますが、益々ひどく泣くばかり。先生、今日は無理ですね…
と言われるので、
じゃ、玄関で治療しましょと、古代鍼をチョンとかざしました。
一瞬にして絶叫が嘘の様にピタリ。その変化に、待合室の患者さん達が「え?うそっ~」「何したんですか?」と興味津々です。
自分の感情に素直な子供たちは、春こそ鍼の効果を証明してくれます。
お母さんが怒る、子どもは泣く…更に怒る、更に泣く…こんな循環にハマってる人、ドンドン来て下さい。
桜が満開の最高の春の日和。こんなポカポカ陽気に、ある患者さんが、「先生、寒くて寒くて北極に居るみたい。」と言われます。
確かに手足やお腹を触ると氷のようです。ガタガタ震えてタオルを何枚もかぶっておられます。
舌は酷い紫色、脈を診ても、風邪が入ってるとは思えません。聞くと、生理前との事。ガッテンがいきました。
患者さんは、私たち鍼灸師の師匠でもあります。日々、様々な事を、様々な形で教えて下さいます。
これは、強烈な、レベルの非常に高い、気の滞りからくる悪寒とみました。
後渓というツボに鍼を一本。気が巡ったのでしょう。帰りには、手足ポカポカ、北極から脱出しましたと笑顔です。
この患者さんは、高校生の頃から、生理前の、いわゆる、PMS(生理前症候群)に悩まされてきました。
このPMSは、ただの生理前の過食やイライラなどでは済まされない、日常生活に支障をきたす程の酷い症状です。
「先生、生理前にあのイライラが無い…こんな日が来るなんて信じられない…」と静かに驚かれてました。
何十年も、毎月毎月、ひとり、どれ程辛い思いをしてこられた事でしょう。想像を超える大変な闘いです。今この様な患者さんで溢れてます。
「良かったね。もっともっと、信じられない程、元気になるからね。」と言ってあげられるこの仕事に感謝します。
辛い辛い思いを抱えている患者さんは、鍼の絶対の証明者です。
いくら感謝してもしきれません。