鍼は重症である程、その効力を発揮します。と言ってどれだけの方が信じるでしょうか。
生体が大きくバランスを崩して、立ち直る自力がない時、そのバランスの崩れを鍼で助けてあげると、生体が喜んで、自力を出してくれます。
患者さんのツボを手で触れて、そのバランス状態を確認していきます。
長く患ったもの、弱りの程度が酷いものは、当然、それなりの時間はかかりますが、健気に立ち直ってきます。
先日も、働き詰めで、心身共に疲労された男性患者さんが、今迄、眠剤を2錠服用しても、入眠まで2時間以上かかっていたのが、1錠で1時間で眠れるようになったと言われてました。ご本人にとっては、大変な喜びようでした。
それに伴って、ひどく傷ついていたツボが確実に復活してきました。
たとえ不治の病と言われた疾患でも、必ず、長く生を受けられ、治癒も不可能ではありません。
患者さんのツボを通して、ひとつひとつの細胞が、生きよう、復活しようとしてる事実を、日々、目の当たりにします。
「人間は完成品なんだ」との師匠の言葉、益々輝いて迫ってくるようです。
リンゴ、水菜、トマト、アボガド、ヤーコンをイタリアンドレッシングで和えるだけ、最高に美味しです!
ヤーコンと人参のキンピラ
立春が過ぎてからも、昨日の大雪といい、寒さが厳しく感じますね。しかし、患者さんの症状や、脈状は正しく、春到来!です。
春は、冬の栄養を蓄えた草木が上へ芽吹く季節です。人も、木気が盛んになり、気逆という症状が現れます。
例えば、同じ風邪でも咳が止まらなくなる、フワフワめまいがする、口内炎や目ばちこができる、蓄膿症が酷くなる、顔に吹き出物が増える等々…これらは、気のベクトルが上へ上へと向かう一連の春の症状です。
日差しは温かく完全に春です。その上、大気の寒さは下半身を襲いますので、益々気が上に上がるのです。
さて、私は気逆してないと思っておられる方、最近富みに過食になってませんか?それこそ、気逆なのです。誰にも止めれない食欲~
実は私も、過食が止まりませんから完全に春です。バランスを取るために食べて気を下に下ろしてる健気な姿と思い、
諦めて美味しいものを美味しくドンドン食べています。最近、初めての食材、ヤーコンというお野菜にハマってしまいました。
このヤーコンは、ペルーが原産地で、食感は蓮根、味は洋梨という甘くて美味しいお野菜です。
効能は糖尿病予防や整腸作用・脳卒中・心臓病・大腸がん予防・高指血症・高血圧症・痛風・便秘などにいいようで、抗酸化物質のポリフェノールが赤ワインを上回る優れものです。
春の木々は、土の水を吸い上げて成長します。人間も胃腸を整えながら、水分の吸収を良くして、上に熱が上がるのを防ぐ事が大切ですが、ヤーコンはこの時期にもってこいの食材です。
身体に今、必要なものが補われていくのが実感できます。いいもの見つけてチョット幸せです。
これがヤーコン君です。
ALSという難病中の難病と闘いながら、いつも柔和な笑顔を見せて下さる患者さんが、
今日は私と話しがしたいと言われ、ベッドから車椅子に乗り換えられました。
そして、私の方に、車椅子を向けるよう奥様に指示され、文字盤を使いながらの、まさしく、対話が始まりました。
1文字を伝える事がどれ程大変か、健康な人には想像出来ないでしょう。
小さい頃のお話し、医師として、人の為に尽くし抜いてこられた誇り、そして、病に倒れた悔しさと無念さ、
中でも、患者さんの一番の訴えは、担当医の度重なる冷酷な態度への怒りでした。病の人を蔑むような傲慢な態度。これ医者でしょうか。。悪魔…
一言一言を全身で受け止め、私も有りのままの思いをお返ししました。
患者さんは、「なぁ、なぁ、」と賛同の声を何度もあげれました。
その声と涙は、患者さんの上がらない手が、「人間の尊厳は不滅だ!」と、拳を上げて叫んでるように見えました。高貴な人格は、冷酷な医者も難病も遥かに見下ろしています。
一生忘れられない日になりました。
先日、感動しながら読んだ記事の一部抜粋です。
「(略)現代社会の骨格に据えるべきものは、こうした喜びの分かち合いを通じて、社会を「富の輝き」ではなく、「尊厳の輝き」で満たしていくためのビジョンであり、「最も苦しんでる人を絶対に見捨てない」という同苦の精神ではないか…」
この中に、人としての最高の生き方、最高の精神のあり方を感じます。
今、日本は物質的に豊かになった反面、心が、何かに飢えているようです。
それを求めるほど、心に傷を負ってしまう。もがき、求めても満たされない心。諦めや自暴自棄。
大人から子どもまで、この葛藤が心身のバランスを崩す大きな原因にもなっています。
先日も、ある患者さんが、この世から全ての携帯が無くなって欲しい…と切実に言われてました。
色んな思いがあると思いますが、心が心底、疲れているのでしょう。
でも、最も苦しんでる人は、最も苦しんでる人を助ける事の出来る人でもあります。
現代の心の傷を癒していくには、相手も自分も「同じ貴い存在」と信じ、互いに尊敬する心を広げていくしかありません。
この中に、本当の心の満足や豊かさがある事を確認しました。
師匠からの書(真理はただ一つ)
「心身一如」という言葉があります。心と身体は繋がっていて、切っても切れない関係にあるということです。
これは、殆どの方々が日常、大なり小なり感じておられる事でしょう。
単発的に嫌な出来事もあれば、長期に渡っての憂いもあります。また、小さい頃の、いわゆるトラウマによる感情の乱れなど、様々な精神状態が、何らかの身体の不調となって現れます。敏感で言葉で表現出来ない子どもは尚のことです。
人間は、本当に繊細な感情を持って生まれてきました。
よく、うつ状態やパニックを起こす患者さんが、身体の痛みを訴えてこられます。
みると、精神不安定が大になると、体の痛みは少なくなり、反対に、身体の痛みが酷い時は、精神状態は安定する…こんな事もあります。心の痛みを身体が代わってくれてるのです。
15年近くパニック症候群に苦しめられてきたある患者さんが、股関節などの痛みを訴え、約1年半前に来院されました。治療を開始してパニックは激減し、半年後から現在に至るまで、ストレスがかかっても全く起こりません。
今日、「先生、体の芯から元気になっていくのを感じます。」と喜ばれておられました。本当に嬉しい一言です。
これからも、身体から心へ、更にはもっと深い部分、魂をも揺さぶる鍼を、悩める患者さんの為に追求していきます。