バラが美しい季節になりました。
鍼で、凹んだツボは、補って(補)、凸のツボは、散らして(瀉)、気血の通り道をスムーズにします。
鍼は、補瀉の使い分けを自在にする本当に優れものです。
患者さんは、この、たった一本の鍼を求めて来院して下さるのですから、鍼はホント大したものです。
その鍼を扱う我々鍼灸師も、鍼の邪魔をしないように、言葉の補瀉をわきまえたいです。
不足なら補って、過剰なら散らしていく。鍼と同じですが、作為無く、どんな一言を発していくか…難しいです。
鍼と共に、必要な時に、的確な補瀉が出来る…これが名人なのでしょうね。
鍼を生かす為にも必須です。
患者さんにとっての心配事は、人其々です。
何が不安なのか、よくよく話しを聞いてあげる事。本当に大切です。
そうでないと、安心感を与えてあげる事もできません。
いくら先端の医療技術を駆使しても、安心感の無い所では、病状は悪くなるばかりです。
特に、ガン患者さんの治療方針においては。
年齢、背景、思想、全て自分とは違うのですから、チャンと聞いて、納得して頂く。
その上での全ての医療だと思います。
海は命の源…
酷いアトピーの方で、寒い冬になると悪化する人がいます。
その時は決まって、尿が出なくなり、顔や手足がむくむと言われます。
膀胱の気化作用が低下するからです。
膀胱の機能低下は、その裏で支えてる腎の機能が弱いからです。
腎の機能が弱いのは、今まで多量にステロイド剤を使用してきたからでしょう。
今は春になったので、肝の昇発作用(伸び伸びさせる)を利用して治療をします。春から夏にかけては治すチャンスです。
季節性を考えると治りが早くなる。正に東洋医学です。
患者さんの寒熱の判断…時に紛らわしいです。
3歳のお子さん。顔面蒼白で、舌も淡紫色、唇も白く、手足も冷えてる…となると冷えかなと思いますが、
この子は体の深い所に熱が篭っています。疳の虫がキツ過ぎる場合によく見られます。汗も出ません。
鍼をしたら、顔や唇に赤みがさし、大人しくなります。
邪熱が冷め、気の巡りが良くなるのでしょう。
古代鍼の清熱効果、てきめんです。
ツツジが彼方此方に
街が明るくなります
往診先で、蜂に刺された患者さん。痛いっと言う間に、みるみる示指が赤く腫れ上がりました。
すぐ噛み口に、糸灸を。数壮で、「痛みとれた…」と驚きの声。。。お灸(ヨモギ)には解毒作用もあります。
その後、熱を持った刺された指の井穴から刺絡(少し出血させる方法)して、すっかり完治。
私も以前、ムカデに大腿部を噛まれ、象の足の様に腫れ上がりましたが、やはり、お灸で治しました。
昔ながらの、モグサや熊の胆等は、山間部地域にお住まいの方は、常備しておくと便利ですね。