昨日の佐渡裕さん指揮、ベートーヴェンの第九は圧巻でした。
元々、ベートーヴェンは大好きで、若い頃、「皇帝」などはテープ(古っ)が切れるほど聞きました。
ベートーヴェンの曲は、人間の喜怒哀楽の全ての感情が見事に表現されてます。
その感情がこちらに感応してきます。揺さぶられますね~
そして、本当に凄いと感じるのは、喜怒哀楽の全ての感情の更に奥の奥にある生命、
澄み渡ったベートーヴェンの歓喜の生命。
仏法で言えば、仏性。ユング心理学で言えば、末那識や阿頼耶識のまだ奥…根底。
その根底が表現されてるのです。
喜怒哀楽の一切の感情も突き破る、人間本来の大生命力、この根底の「生命の歓喜」を、ベートーヴェンは、人間の声を使って表現してるところ…すごいです。
この歓喜と躍動の生命も、誰人にもあるから感応します。
歓喜の生命を引き出す鍼…いいですね。
はい、そんな簡単ではありません。
1本の鍼から、身体全体に、波がゆっくりと静かに広がっていくように、気血の過不足を調える。
この身体全体を巡る「ダイナミックな波動」が鍼の最大の効果ではないかと感じています。
鍼を使って「気(血)」の波動を起こす。
私達は、その気(血)の滞りを見つけ、より波動が及ぶツボ(場所)を見つけます。滞りが少ない程、気血の波動連動が速いです。
山田慶児先生の「気の波動型の作用形態を生み出すのは、気の感応である。(略)波動的な状態のなかでの安定した秩序を指向する」と。。。(「混沌の海へ」より)
このような言葉に出会うと嬉しくなります。鍼の事を言われてるようで…
鍼を持つ手、心、魂、全てに感応する厳しい世界でもあります
最近、訴える方がとても多いです。
日本鍼灸史上に於ける巨星と言われた、沢田健先生は、巨厥、中脘、下脘にお灸をすえて治癒させたらしく…
最近の胃酸過多は、脾胃が弱ってる所に、油っこい物や甘い物の過食に加え、
様々なストレスから胃熱を生じて起こる場合が多いですので、
私は、お灸を使うことは、ほとんどしません。
舌と脈がしっかりしていたら、背部の督脈上のツボに鍼をして熱を取って治す場合が多いです。
沢田先生は、腹部の任脈上のツボにお灸ですので、丁度、真反対です。
沢田先生は、お灸の名手。鍼もお灸も加減によって素晴らしい効果を発揮します。
沢田先生と今では時代が違うということも考慮にいれて、鍼、灸も使い分けたいです。
それにしても、澤田先生にはかなり親しみを感じます。過去世で出逢ってたりして…ね。
虹の様な紅葉
患者さんが、いつになく興奮気味に来院されました。
「先生、この本最高!」と手に一冊の本。
タイトルは、『高血圧はほっとくのが一番』松本光正著
その患者さんは白衣高血圧症で、先日、医者から降圧剤を強烈に薦められ、憤慨してたところでした。
早速読んでみると、
「高血圧だから、脳梗塞になった」のではなく、『脳梗塞だから、血圧を上げて治そうとしている』のだ。脳の血管が詰まりかけた時、体は懸命に血流を勢いよくし、血のかたまりを吹き飛ばそうとする。血圧を上げて、脳を守ろうとしているのだ」と。
更に、高血圧の基準値は、「180→160→140→130と、どんどん下がり、そのたびに1000万単位で「患者」が増えていく」。。。今はまた140に上がったようですが。本の賛否は置いといて、
本来は薬を減らしていくのが医者の務め。それが、現実はどうでしょう。
今年は、降圧剤の「バルタルサン」の臨床試験疑惑にも驚きましたが、サラッと流れてしまいました。
降圧剤を出された患者さんは、一生飲むように言われました…と。一生飲まないといけない薬など有るのでしょうか?疑問です。
この患者さん、我が院で血圧を測っても高くありません。
「ヤマアラシ ジレンマ」という心理学の言葉があります。
寒さの中、二匹のヤマアラシが暖め合うために体を寄せ合いますが、
近づきすぎるとお互いの体の針が相手に刺さってしまい、離れると寒くなる。
二匹は近づいたり離れたりのジレンマを繰り返しながら、お互いに傷つかず、寒くも無い距離を見つける。と言うお話です。
この距離の取り方、簡単ではありません。
親子関係では尚のこと大変です。今、社会問題のモンスターペアレント、ヘリコプターペアレント…
子どもが可愛くて…が昂じて、気になって仕方がない…病的なほどにです。子離れが出来ない状態。
お互いに、同じ病気を患ったり、過剰に神経質になってぶつかる。。。患者さんの中にもたまに見られます。
さて、これを鍼でどう治すかです。
先ずは、脾胃を立て直し、湿熱邪を除いて、身体からスッキリさせるのがいいと思います。
こちらも粘り強く。