西宮の紅葉はまだ綺麗です
鍼灸師にとって掌(たなごころ)は命です。
柔らかい手で、力み無く、素直な心で、ツボに触れる訓練が必要です。
私も、初めは、熱い湯呑み茶碗をひょいと持ち上げて、師匠から「熱いコップを平気で持てるような手ではイカン!」と怒られた事があります。
いつの間にか、指先も掌も敏感になりました。患者さんの身体に日々、触れさせて頂いてるお陰です。
検査機は無機質です。手で傷んでる所を、傷んでるツボに触れてあげる事の大切さを益々感じます。
臨床に入ると、冷たかった手が温かくなります。これも、訓練の賜物でしょう。
心にまで染み通っていく掌をこれからも作っていきたいです。
平和ですね。
2歳の男の子が便秘です。
4日~6日に一回の排便らしく、レントゲンでは、便がたくさん貯留してるため、浣腸するも出ない…
内服の便秘薬を使うと、泥状便が翌日に出てそれっきり…との事で来院されました。
大阪で小児鍼を2ヶ月受けられたようですが、効果が無かったようです。何故だろう?
可愛いお顔を覗くと、眉間辺りが気になります。ちょっと神経質ですね。
このお顔がスッキリしたら治ります。
刺さない小児鍼を使って、2回目で「キバってくれる回数増えました~」とお母さん。
4回目から、「たくさん出るようになりました!」と大喜びです。
お母さんには、排便日記を付けるのやめましょうとアドバイスしました。
お母さんの神経質は、子どもに映ります。
お子さんの顔に眉間のシワは無くなりました。
いつも素敵なバラをありがとう。
セロトニン、メラトニン、トリプトファン…色々研究されてる物質名の数々。それに因んだ、セロトニン欠乏症等の病名の数々。飛び交ってます。
そこで、大氾濫しているのが、サプリメントです。
先日も、友人が本当に一生懸命、サプリメントを紹介してくれましたが、
サプリメントは、味気が無さすぎて、どうしても、全く興味が湧かない私…
美味しいっ美味しいと食べてる方が、余程身体にいいと思います。
薬は山盛り出され、サプリメントをドッサリ買い、お腹いっぱいになってる人々…
冷静になれば、商業ベースに完全に乗せられてる事は明らかです。
好きだった某番組まで、近頃、最後のオチは新薬の宣伝になってきてます。
ちょっと振り回されすぎでは無いでしょうか~
足りないからこそ、身体は働いてくれるのに。与え過ぎですね。
今、空が優しい
今年の秋冬は、眩暈(めまい)で来院される患者さん本当に多いです。
ふわふわした船酔い状態や、激しい回転性のものまで様々ですが、酷いと嘔吐を伴います。
色んな原因が考えられますが、患者さんの体表を観察させて頂くと、殆んどの方が「脾の臓」のツボが弱っています。
ひとつは、今年の夏の湿気が「脾の臓」(この臓は湿気に弱い)を傷め、そこへ人それぞれ、頭に血の昇る事が続いたせいでしょう。
脾の臓と肝の臓(ストレスが継続すると流れが滞ります)が、お互いに協力しあってバランスを保ってるだけに、
脾の臓が弱ると、肝の昂りを抑える事が困難になり、上部に様々症状が現れやすくなります。
この眩暈の多くは、この弱りが関係しています。鍼で瀉法を意識しすぎて良くならないのはこのためです。補う事で改善してます。
京都 哲学の道
患者さんから、「鍼で興奮を抑える事出来ますか?」と質問があり、
聞くと、「躁鬱病の父が暴言を吐いて大変、2週間後の結婚式に間に合わせて欲しい」との事。
はい、悪いのは暴言を吐く父…ね。
ご家族全員、治療経験ありですので、大丈夫ですよ~と引き受けました。
お父さんは5年ぶり。問診は私がしました。確かに興奮して、言いたい放題ですが、何とも正直なお父さん。
鍼を一本。
3診目で、「ココロと体は繋がってるんですね…鍼されると、何も考えられなくなります」と、仏さんみたいなお顔です。
結婚式は、無事に平和に終わりました。