むかし昔は、誰かが癌と聞けば、大変な驚き。医者も家族も、ガン宣告から共に悩み考え、ひとつひとつを大切にしてました。
近年は、治療がしやすい様にと、本人に癌宣告するのは当たり前の様になってきました。
それが高じたのでしょうか…
患者さんご本人が、全身に転移して、骨も溶けて骨折している云々…いっぱーい書かれてある紙を持参で来られました。
幾ら何でも酷すぎますね。
癌の方が多すぎて、何か大切な事が余りにも鈍感になっている。
そんな紙を普通に渡されるから、普通に受け取るものの…
患者さんは、生命ある限り、どの様な状態でも「希望」を求めておられます。
そんな当たり前の事を、完全に忘れているという事ですね。その紙。。。。
昨日、同業者から電話があり、
風邪を引いて咳が止まらない…色々鍼をするけどイマイチ。どうすればいいかとの事。
もう、すっかり日差しは春です。足元は冷えて、頭に陽気が昇りまくる季節。
そこへ、忙しいとなれば、益々「気逆」という状態になって、肺気と肝気のバランスを崩します。
一旦出ると止まらないのは、春の肝気が勝つ為に出る気逆咳。
多くは、右の脾募から肝之相火に詰まりが有るはずです。
そこが緩めば咳は止まります。鍼でもお灸でも打鍼でも自由に。
うちの患者さん達も春が訪れて賑やかになってきました。
皆さんホントに正直なお身体です。
改善の兆しが見えてました。やっとこさっとこ(笑)と言いたくなる患者さん。
自分の症状に対して、過剰に心配されます。
症状が出るたびに、右往左往の大騒ぎ。
全く落ち着きが無くなります。
その方には、少しの痛みが何倍にも感じ、小さな音も爆音に聞こえ、嫌な臭いも気分の悪くなる程の悪臭になります。
過敏過ぎるという症状。振り回されて、本人も周りも大変です。
最近、やっとこさっとこ(笑)、鍼の後、少し寝れるようになってきました。
やっと、だけでは言い足りない程…まだまだこれからですが、やっとこさっとこ(笑)。
ホント根気のいる仕事。
ところで、やっとこさっとこって何処の方言かしらん。
先日、豊岡往診の帰り道、途中下車して、もう一件、治療に行きました。
この患者さんは、約6年前、悪性神経膠腫(脳腫瘍)で、大手術をし、術後も運動野と言語野等に再発。
完全失語、右半身硬直で、自分で身体を動かす事が出来ません。
生活の一切を娘さんが介護されてます。
昨年末、誤嚥からの肺炎で入院。行くと、ウトウト一日中寝ている状態で、ひどい浮腫、更に痩せて骨と皮です。それでも顔は貴婦人。フランス人形さながら。
この患者さん、肺炎も良くなり、鍼の後、お目々ぱっちり、浮腫も無くなり、お正月は自宅に戻れました。
あまりにも大変な状況の中での大復活。驚くばかりです。
ひとえに、底抜けに明るい娘さんの「人を信じる力」が復活力の源だと感じます。
奇跡の復活力と信じる力は比例します。
どんな最悪な状況でも。
太刀魚を毎年、釣って、さばいて持って来て下さる患者さんがいらっしゃいます。
魚さわれない派(笑)の私にしたら、大尊敬。この太刀魚、お店では食べれない程の美味しさです。
銀色に光る細長い体が刀のようなので太刀魚と呼ばれ、頭を上にして立って泳ぐことから、立魚とも書くようです。
潮の流れが静かなポイントでは、タチウオが巨大な群れを作って、立ち泳ぎしているらしく、
タチウオ千本刀という伝説になっているようです。カッコいい、見たい!と思っていたところ、
昨日、その映像をテレビで見て感動~
敵に襲われそうになったら、一斉に体を動かして、銀色の光で身を守る太刀魚達、筋肉粗無いので、労力を使わず、頭の上に来た餌を何でも食べれる様、口は大きく牙が鋭い。
自然って無作為でいて、なんて合理的なのでしょう。
まさに東洋医学。自然の中に智恵ありです。