東洋医学では「正気(せいき)」を最重要視します。
「正気」…言い換えれば、胃の気、生命力、自然治癒力、免疫力…色々言い方がありますが、
東洋医学では、生体は完璧なものというのが前提にあります。
完璧なので、何か異物が侵入したり、偏りがあれば、完璧に戻そう戻そうと働きます。
自ら、自然と治そうという方向に向かいます。
この戻そうとする力を「正気」と呼んでいます。
治りが悪いものは、この「正気」が弱っているか、反対に何らかの「邪気」に阻まれてるかです。
正気が弱っていれば、正気を補い、邪気が正気を邪魔してれば、邪気を散らす。
何れも、正気を助ける事を中心に考えていきます。
この考え方、鍼を刺す時とても大切なんです。
生体の邪魔をしないような鍼、生体から感謝されるような鍼を目指したいです。
全ては「正気」を立てるためにです。
日常茶飯事起こってます。
自分は大丈夫なんて絶対言えない事態。
全て、油断とバランスの乱れです。
自分のココロが何処にあるのか、客観的に見つめて、
小さな事を見逃さないように。
疲れをとって、
心身を安定させないと、
とっさの判断が狂います。
動くせわしない春…
怪我、事故、詐欺を寄せ付けない!と
決めていきましょう。
当然ながら、臨床現場にこそ、真の学びがあります。
その学びに、いつも感動させて頂いてます。
昨日も、師匠の難病治しに立ち合わせて頂きました!
遠方から初めて来られた患者さんに、「これは治るぞ!」と。
「相手の一言で治るかどうか分かるんだ。生命の共鳴があるかどうか…だからな」と。
観点が違う…深い。
反対に、「どうしようもないのもあるぞ~」と。
いつも真正面から教えて下さいます。
いつもながら、凄い臨床現場です。
患者さんが、「実千代先生、明日お母さんのお誕生日ですねー」と可愛いお花のプレゼント。
母が亡くなって10年。本当に幸せな母です。
その温かいココロに、こちらが癒されました。
今日は、3・11…命というものを考えざるを得ない日です。
父も、昨年、亡くなる年に、「人間、死んだらどうなるんや~?」と唐突な質問をしてましたが、
今頃、母と仲良くケンカしながら、鍼論争でもしてるのかなって思います。
全てのものが、生死を永遠に繰り返してる…この不思議。
「各生命体は宇宙生命(母胎)から派生してるんだ」との師匠の言葉から、
また、いつか何処かで、必ず亡くなった人とも会えるって確信できます。
師匠が講義で引用された書、『人間 この未知なるもの』アレキシス・カレル著の抜粋です。
「病気は個人的な現象であり、個人そのものによって成り立っている。だから、その数は患者と同じだけあるわけだ。」
「医学は人間の本質、統合性、その独自性を考慮しなければならない。目的はただ一つ、患者の苦痛を和らげ、回復させることにある。」
「医者は、医学書に述べられてる病人と、自分が治療すべき実際の患者、つまり診察するだけでなく、何より安心させ、力づけ、回復させねばならない患者とを、はっきりと区別すべきである。」
「医者が成功するかどうかは、知識ばかりでなく、各人をそれぞれ異なった個としている独自の性質を、いかにうまく把握できるかにもかかっているのだ。」
患者さんを診させて頂く事が、如何に難しいことかを改めて感じます。
生涯、ココロを磨いて、精進しなくては。