ある患者さんが、血液検査でNT-pro BNPという数値の異常高値を示されてました。
これは、心不全の検査で、何らかの異変で心臓が苦しいよ~と言ってるのを、他の臓器に知らせるホルモンの値だそうです。心臓の悲鳴程度を表すようです。
身体は繋がってます。心臓だけが単独に動くわけでなく、他の臓器と協力しながらバランスを保ってるのは当然です。
その患者さんは、話すのもゼイゼイと苦しそうで、数歩歩いては休まないと進めません。足もパンパンに浮腫み、ほぼ寝たきり状態でした。
何故、こんな苦しいんですか?との質問に、「実質、患者さんの腎臓がフウフウ言いながら頑張ってる所、何らかのストレス(例えば不適切な強い薬や強ストレス)が心臓に影響して起こってるものと思います。」と簡単に説明しました。
東洋医学でも心の蔵と腎の蔵は密接な協力関係がありますが、2ヶ月間、往診にて腎の蔵に関するツボにアプローチしていきました。
すると、症状はドンドン緩解し、今では外には出れないものの日常生活は普段通りに。
検査結果も2ヶ月前の3分の1まで下がってました。まだ正常数値でないので油断出来ませんが。。。
西洋医学と東洋医学は考え方の土俵は違いますが、当然ながらリンクしてる部分も沢山あります。
鍼の効果を真摯に受け止めて下さるお医者さんがおられたら、検査結果や症状を見ても、きっと驚かれると思います。
更に今の状態から、その後の養生指導もできます。
患者さんが自分の健康を自分で守り、決して人任せにしない事が、
今後の医療には何より大切だと感じます。
「日々の心いろいろ」より
先日、「生脈散」という漢方薬をある鍼灸の先生が服用されてたので、皆で少しづつ舐めてみました。
漢方薬は専門ではありませんが、生脈散は、気と陰が両方虚してるような、どちらかと言えば、疲れ易く気力が出ない人や、
この夏、汗をかき過ぎて疲れるといった人、脱水症状にもいいようです。
人参、麦門冬、五味子の三味から作られてます。人参と麦門冬は甘くて少し苦味があり、五味子は酸味がありますが、
全員、味の感じ方が違いました。
私は、この苦味が不味くて飲めませんでした。
不味く感じる時は、今の自分に合ってないと思い服用しません。
漢方薬と鍼とは全く違いますが、どちらも優れた効果を発揮する時は、身体に浸透していく心地よさを感じます。
弱ってる時は尚のこと。全くもって私個人の感覚ですが。
酷い鬱の患者さんが、突然、正常な精神に戻りました。
が、良くなっても手放しでは喜べません。何故良くなったのか色々聞いたり、体表を調べます。
今回の鬱の患者さんのツボの状態は、確実に改善されてきていました。
治療戦略が功を奏したようで本当に嬉しい事です。
この様に、虚(弱り)が徐々に、日をかけて補われば、ある日スッと症状が取れる場合が多々有ります。
決して突然良くなったのではなく、その過程こそ注目すべきです。
精神状態が安定すると、患者さんご自身、様々な事が冷静に見れる様になりました。
また、まだ油断せず無理をしないでいます…等々、この辺の判断まで正常になります。
バランスがある程度調うまで、根気良く治療する事です。ある程度調えば生体側が、勝手に更にバランスをとる様になります。
鍼はそのお手伝いをキチンとしてくれる優れものです。
「日々の心いろいろ」より
患者さんが鍼を受けて下さるのと同じ数、それ以上に、患者さんから様々な事を学ばせて頂いています。
改めて感謝の心が湧いてきます。
自分は経験してない症状、東洋医学からみた解釈、それに伴うバックボーン、全てが勉強です。
患者さんから、東洋医学の見方、考え方を教えて頂き、納得することだらけです。
沢山の患者さんを診させて頂くほどに、経験を積ませて頂きます。
この事が日々どれ程、私の血肉になっているか計り知れません。
これからも、患者さんから学びながら全身全霊、ここに来て本当に良かったと感じていただける場にしていく努力を続けます。
対話が少ないと勘違いが生まれます。
勘違いの積み重ねは、次第に人間関係をこじらせます。
いい事で勘違いなら問題無いのですが、勘違いは、次第に悪い方に向かうほうが多いです。
思い込み、不信感、主観的な見方は、勘違いを生じ易くします。
特に気をつけたいのは、人の話しを鵜呑みにする事。
人の話しは伝わる程に尾ひれはひれがくっ付きます。そうなると、更に、思い込みが増し、不信感が積もります。
対話、話し合いが出来るというのは、一番人間らしくて大人の中の大人…ですね。