「日々の心いろいろ」より(ガガブタ)
「『胃潰瘍=酸原因説』を唱える人も『胃潰瘍=ヘリコバクター原因説』を唱える人も、相手側とまともにぶつかり合う事を避け、妥協し、お互いの矛盾点を明らかにしようとしない。いつまで経っても研究者同士は傷つかず平和であるが、問題も解決する事はない。間違った治療で迷惑する人がでるばかりである。」とは、安保徹先生の『医療が病をつくる』の中の一文です。(最近、安保先生のこの本に魅了されてる私…)
問題解決のためには、真剣に互いの意見をぶつけ合って、討論していくという姿勢は本当に大切だと思います。
先日、アメリカ在住の友人と延々と様々な話しをしましたが、「中国でも勿論アメリカでも、ロシアでも皆、学生達が我先にと手を挙げ質問し、お互いの意見交換をしているのに、
日本人は、相手の反応を見過ぎるというか、意見を言わない…残念ながらおとなし過ぎる」と言ってました。
鍼灸発展のため、患者さんの為に、小さな草の根でも、大きな研修会でも、学校でも、
より素晴らしい鍼灸の道を模索していく為にも、普段から自分の思う事をはっきりと言える事が大切です。
その辺りの精神の土台が出来ていれば、安保先生の言われるような「間違った治療で迷惑する人」は減少するかも知れません。
「日々の心いろいろ」より
東洋医学を始め、全ての宇宙の営みは「調和」にあります。
日々、私達は患者さんの不調和を様々な角度から見つめ調和の方向へと治療していきます。
この調和について、興味深い対談が掲載されてましたので抜粋します。
「調和とは、古いものと新しいものの出あい、異なるものどうしの出あいが、創造の方向へとダイナミックに働くことではないでしょうか。
たとえ葛藤があっても、衝突や対立につながらないという、秩序感覚、内的な規律が働いていることでもありましょう。
こうした軌道に則るためには、生命の尊厳に立脚した人生観や世界観がなくてはなりません。そして、互いに尊敬し合い、学び合う姿勢が根幹にあらねばなりません。」
「潮 新連載対談 王蒙氏×池田氏より」
心から納得がいきます。
この調和、先ず自らが率先垂範していきたいです。
逞しい豊岡の山々。
日本画の様でした。
昨日は豊岡の往診でした。シトシト降る雨で、さすがに豊岡は気温が20度、寒さと湿気…寒湿の邪でいっぱいでした。
身体が普段から熱く、熱のため乾燥してる人には心地よいのですが、
寒がりで胃腸が弱い人にとって、寒湿の邪はこたえますね。
下痢、食欲不振、うつ病、腰痛、神経痛、めまい等が発症し易くなります。発症するにはプラスαの条件が要りますが。。
湿気は胃腸を弱めます。今年の夏の湿気と暑さで、既に元気が消耗し胃腸が弱っている所、
今週も梅雨のような湿気と寒さですから、養生を間違えてはなりませぬ。
先ずは、暑さの為にあまり出来なかった散歩をしっかりして、気を緩めすぎず、
しつこい物、特に餅米系は避けてあっさりした物を適量食べる事。
お寿司やお刺身は寒湿の食べ物です。食べ過ぎず、食べたら一緒に生姜を食しましょ。
生姜は、身体の湿を取り除き、少し温める作用があるのでお寿司には付きものなんです。
少し生姜を使ったお料理を作ってみてね。豚の生姜焼きなんて最高ですよ。私も大好きです。
芸術的なマスカット!
特秀シャインマスカット。
少女漫画から抜け出た様な14歳だった美人さんが、すっかり大人になって超大手に就職が決まったと報告してくれました。
お母さんと来院された6年前を思い出します。
手足が氷の様で何をしても寝付けず、時々頭をハンマーで殴られた様な頭痛を起こし、
そして、お昼間の様々な我慢が夜中に噴出し暴れ出すという…美しい彼女からは誰も想像出来ないような症状でした。
この間、色々な事があっても、全て乗り越え、逞しくなった彼女の姿が嬉しくてたまりません。
その人の本来持っている良さを思う存分発揮するためには、先ずは身体のバランスがとれている事が大切です。
身体のバランスが整えば知らない間に心のバランスも良くなります。
これが鍼の力です。
お母さんからの食べた事のないような甘いマスカットを戴きながら、人の幸の人生を共に喜べるこの仕事に合掌しました。
「日々の心いろいろ」より(メディニラ・スペキオサ)
免疫学の権威、安保徹先生が、著書『医療が病を作る』の中で、
アメリカで評判の医師用教科書『ドクターズルール四二五』の一文を紹介されてました。
「可能なら全ての薬を中止せよ。不可能なら、できるだけ多くの薬を中止せよ」
「薬の数が増えれば副作用の可能性はネズミ算的に増える」
「四種類以上の薬を飲んでいる患者は医学知識の及ばぬ危険な領域にいる」
「高齢者のほとんどは薬を中止すると体調がよくなる」というものでした。
安保先生は薬の中でも特に、痛み止め薬の連続投与によってもたらされた交感神経緊張に警鐘を鳴らされてます。
患者さんを診ていて考えさせられる所大です。
今後、日本に於いてもこの薬の投与はどの様に変遷していくのでしょう。
ともかく、患者さんを減らすために出来る事を最優先に考えていくべきだと思います。
全ての医療関係者が、先ずは患者さん自身の治癒力を信じて。