「日々の心いろいろ」より(八重寒紅)
鍼灸師は診断から治療まで全て手で行います。主に手掌と指頭を使って患者さんのツボの状態を診察します。
そこで大事なのは、こちらの手の状態です。
ガザガザしてたり、冷たかったり、ゴツゴツ、硬かったり、爪が伸びてたり、湿っていたりはNGです。
これでは、正確なツボの状態が分かりませんし、鍼を打つポイントも外します。
いつも手は鍼灸師にとって宝のように大切にして、繊細かつ敏感でなければなりません。
今日あるスタッフに、患者さんのツボを触らせると…彼女はかなり正確にツボをピンポイントで見つけられる優秀なメンバーですが、
たまに驚くほど外してくれます(笑)。聞くと、右手でツボを触った時は必ず、私から違うよ、と言われるようで、左手だと褒められるとの事…
何故?と思い、手を触ってみると右の手掌が冷えてて変な硬さがあります。
そして手掌のやや上方にある内関というツボを中心に縦10センチ程に凄い硬さと熱感が。。。これだわ(笑)
一生懸命頑張りスギルトと、このツボはこうなります。5分程内関に置鍼してあげると、硬さがマシになりました。
すると、右の手掌に膜が張って鈍だったのが薄らいで感覚が良くなったらしく、ツボを正確にとってました。
体調と手掌はかなり密接です。鍼灸師こそ鍼をどんどんしないといけませんね。名医になる為にも。
「日々の心いろいろ」より(ギョリュウバイ)
24節気72候では最近は『雨水』の第五候「霞始靆(霞始めてたなびく)にあたります。漢字難しい(笑)
霞ですから遠くの山々の景色がぼやけて、その霞がたなびいて横に広く漂って見える頃を意味します。まさに今です。
『雨水』は、春の陽気に雪が雨に変わって、氷が解けて水になる頃で、農耕を始める時期の目安とされていたようです。
とにかく、後数日で草木が一斉に芽吹き出す時(3月1日から草木萌動)なので、肝気の高ぶりは半端なく凄いです。子供も大人も爆発してます(笑)
今日来られた小さな子供達の足音の大きい事、ジッとでき無い事、声のでっかい事、顔のブツの多い事、鼻血や目の眩しい事、脈や顔面気色にも面白い程ハッキリ出ています。
私はというと、普段のお喋りが倍程になり、何やら楽しくウキウキします。殆ど気がふれてる状態ですね(笑)
こんな時こそ鍼をして、気の巡りをスムーズにしておけば暴発(突発的な症状)は防げます。やりましょう!鍼を。
「日々の心いろいろ」より(ユキヤナギ)
インフルエンザがはびこり過ぎですね。なかなか下火になりません。
うちの患者さんもAやらBやら嘔吐やら下痢やら。。。本当に感染力の凄いこと。
今はリゼンザやタミフル以外に、イナビルという新薬が使われてるようです。一回吸入するだけで解熱するらしいですが、
今日来られた患者さんは40度の発熱が6日間も続き、この新薬も全く効果なかったとの事。。。尿も出ず…熱で蒸されてる状態。
やっと解熱し動けるようになり来院されましたが、酷い舌の状態でした。特に胃腸の部位が酷い乾燥状態。
全く発汗が無かったようです。それでは解熱しない筈です。
医者によってはこういう場合、よく漢方薬の麻黄湯を処方されてます。市販でも売ってます。こっちの方が余程、発汗して解熱が早く後々回復力はいいと思いますね。
私は人参ジュースを勧めてます。特に子どもには。手間でも手で摩り下ろしてガーゼで絞って1日3、4杯飲みます。解熱効果抜群ですよ。
何れにしても、発熱は邪気と闘ってる証拠。自身に抵抗力があれば、自ら発汗して解熱します。
私はまだ大丈夫ですが油断大敵です。過信して無理をし過ぎればやられます。運動不足で体が熱に偏ってるからです。
それにしても、蔓延し過ぎのこのインフルエンザ…さて、原因は何処にあるのでしょう。。。色々考えさせられます。
「日々の心いろいろ」より(浜の曙)
東洋医学では心と体は切っても切れない関係とみます。
これは日常的にも殆どの方が実感している事だと思いますが、例えば、
嫌な事があれば胃が痛むとか、恐怖で腰が抜けたとか、これは震災の時に多くありました。酷くなると、聞きたくない事があるから難聴になったとか(笑)ホントに。
人によって、自分の弱いところに過剰ストレスの余波は及びますね。
ではどうすればいいのでしょう。どちらを見てもストレスのかかる事ばかり…と言えばそうですし(笑)。。
思うに、ここで鍼治療を受けよう。と決意されて来られたのですから、
もう、腹を決めて(笑)、クヨクヨは止めよう!同じ生きるなら楽しもう、笑って過ごそうと、
こんな風に自分が決めれば、必ず心身共にいい方向にいきます。鍼の効果も倍増します。
人生は一回きり、環境に振り回されず、自分で人生の舵を切っていけるよう、私もそんな鍼を目指します。
「日々の心いろいろ」より(ロウバイ)
最近、発熱が6日間続いて解熱剤でも下がらない患者さんが来られました。
会社にも行けず毎日治療に来てくださいましたが、中々難しく…これで治ると思っても、また発熱です。
そのうち正気も弱ってきて、脈状も弱くなり、歩くと息が上がって休み休みの来院です。
困った時の神頼み。師匠にカルテを見て頂き、自分の治療と経過も暴露(笑)し、
兎に角、信頼して淡々と来て下さる患者さんを治してあげたい一心でご指導受けました。
詳細は長過ぎて書けませんが、師匠の配穴にはいつも本当に驚かされます。
見る見る良くなって2回の治療で解熱、出勤出来るようになりました!凄すぎる。。
さて、次に繋げていくために、師匠の指示を思考し勉強していく事が大事です。
師匠の人間観察力と臨床力には言葉もありません。本当に有難い師匠です。