大漢和辞典の文字は極小。
「黄帝内経霊枢注証発微』(馬蒔)
先日、父の遺品を整理していたら、貴重な本の数々が出てきました。
その中に、諸橋轍次氏の『大漢和辞典』がありました。
そして偶然にも次の日、某新聞一面に、諸橋轍次記念館館長が大漢和辞典について語られてる記事を目にしました。
この大漢和辞典は、総計約1万5千ページに及ぶ世界最大の漢和辞典で、
途中戦火で焼失したりして、構想から完成迄30年以上の歳月を要したそうです。
文豪吉川英治が「『大漢和辞典』刊行の成果はそのまま、日本文化のバックボーンになるものといってよい」と高評価の辞典です。
その不屈の心を育んだ原点は、故郷愛と親孝行の心だったと館長は言われてました。偉大な業績を残される方には必ず深い原点がありますね。
諸橋氏が携わった13巻の後、14巻の「語彙索引」、15巻の「補巻」の2巻が弟子の手で追加されました。師匠の思いを受けたこの弟子の心にも感動します。
諸橋轍次さんの座右の銘は、「行不由径」(行くに径(こみち)に由(よ)らず)という論語の一節だったそうです。
「径(こみち)は近いように思うが、行ってみると藪があったりして、そうはいかないんだよ。人より先に行こうなんて考えるんじゃなくて、ゆったりと大道を生きていく方が人間としていいんだよ」というのが口癖だったようです。
地道な根気の要る大偉業を成し遂げるために、ご自身に言い聞かせながら頑張っておられたのでしょうね。
全てに通じる真理です。
「日々の心いろいろ」より(一重野梅)
先日、信頼する鍼灸師の先生に患者さんをご紹介した所、その患者さんから感謝のお便りが届きました!
数年に渡る疾患で西洋医学での根治は難しいものですが、それが短期間の内に良くなって来た事への喜びの声でした。
ホント嬉しかったです。その事を先生にご報告した所、ご親切にも経緯等を教えて下さいました。これがまた凄いんです。様々勉強になりました。
私ならこの様な場合、何処のツボを使うかなと思いつつ…
その先生が使われたツボは、私の頭には上ってこなかったツボ、期門穴でした。その使い方と(整体)を動かす観点が憎い(笑)。
ツボの事がとても詳しく書かれている『鍼灸穴位通鉴』や『経穴解説』等々で調べ直してみると…忘れていた事や、気づく事が沢山ありました!
この時期は特に右側期門から肝之相火に繋がって反応が出てる人がかなり多いですね~
何処のツボを、何故、どの様な思いで使用するのか、一本鍼だからこそ真剣に勉強しなければと改めて感じました。感謝です。
「日々の心いろいろ」より(ポンテデリア・コルダータ)
昨日は立春でした。何人浮かれながら、歌いながら、叫びながら(笑)歩いている人を見かけたでしょうか。
精神的に躁うつ病の方は、春になると一気にこんな感じになりますね。正直過ぎるよ。
比較的安定して叫んでない人でも、春の兆候はハッキリ見られます。
何かイライラして過食になったり、多夢になったり、月経が早く来たり、意味無く浮かれたり、そわそわしたり、何かに衝動的になったり(笑)…春のせいです。
顔面にも脈にもツボにも、春の訪れは明らかに出ています。
もれなく私にも。。。普段全く食べないチョコレート食べてます(笑)。パクパクと。それもカカオ80%の苦いもの。
そして、何か新しい事に挑戦したくなって、衝動的になってます(笑)危険危険。
皆さんも下半身を冷やさずに、良く良く散歩して、髪の毛を硬く結んだり、きつい下着を着用せず、細かい事はホッといて、ゆったりと春の訪れを楽しんでくださいね。
「日々の心いろいろ」より(平果金花茶)
奈良の師匠の元に通い出してまる11年になります。月4回から多い時は6回、勉強させて頂いています。
思えば1年目の時、両手が腫れ上がったリュウマチ患者さんを治せなくて、師匠にご相談し勉強会でとりあげて下さった事が昨日の事のようです。
それから、事あるごとに患者さんをお連れしたり、カルテを見て頂いたり、自分も治療を受けたり、どれ程沢山の事を教えて頂いたか数え切れません。
今年も、私には難事の患者さんを、目の覚めるような素早さと勢いで治していかれました。
色んな意味で難病中の難病の患者さんですが、誰が見ても鍼の効果は歴然です。本当に目の覚めるような見事さです。それも刺さない翳すだけの鍼で…です。
今日は、初心を思い出し、まだまだ師匠にぶつかって教えを請うていこうと強く決意しました。
師匠の「お母さんが生きてたら喜ぶだろうな」の温かい一言に、母が側で聞いているように感じてなりませんでした。
感謝…合掌。
「日々の心いろいろ」より(マチルダ)
師匠が「気の去来」という事をよく言われます。
整体を診て、元気の大元の「気」が不足してれば、そこに「気」を集めて全体のバランスをとります。
「気」が有余であれば、散らして全体のバランスをとります。
その「気」の去来を敏感に感じれる程、鍼の効果を十二分に発揮出来るというものですが、敏感さと熟練が必要です。
『素問』の【九鍼十二原篇】という所に、
「若風之吹雲、明乎若見蒼天。刺之道畢矣。」とあります。
鍼の効果について端的に書かれてます。
鍼をすると(正)気を得る事ができ、それはまるで風が雲を吹き払って、暗天から晴天に一転したようなものという意味です。
素晴らしい表現。こんな鍼を目指したいです。