「日々の心いろいろ」より(浜の曙)
東洋医学では心と体は切っても切れない関係とみます。
これは日常的にも殆どの方が実感している事だと思いますが、例えば、
嫌な事があれば胃が痛むとか、恐怖で腰が抜けたとか、これは震災の時に多くありました。酷くなると、聞きたくない事があるから難聴になったとか(笑)ホントに。
人によって、自分の弱いところに過剰ストレスの余波は及びますね。
ではどうすればいいのでしょう。どちらを見てもストレスのかかる事ばかり…と言えばそうですし(笑)。。
思うに、ここで鍼治療を受けよう。と決意されて来られたのですから、
もう、腹を決めて(笑)、クヨクヨは止めよう!同じ生きるなら楽しもう、笑って過ごそうと、
こんな風に自分が決めれば、必ず心身共にいい方向にいきます。鍼の効果も倍増します。
人生は一回きり、環境に振り回されず、自分で人生の舵を切っていけるよう、私もそんな鍼を目指します。
「日々の心いろいろ」より(ロウバイ)
最近、発熱が6日間続いて解熱剤でも下がらない患者さんが来られました。
会社にも行けず毎日治療に来てくださいましたが、中々難しく…これで治ると思っても、また発熱です。
そのうち正気も弱ってきて、脈状も弱くなり、歩くと息が上がって休み休みの来院です。
困った時の神頼み。師匠にカルテを見て頂き、自分の治療と経過も暴露(笑)し、
兎に角、信頼して淡々と来て下さる患者さんを治してあげたい一心でご指導受けました。
詳細は長過ぎて書けませんが、師匠の配穴にはいつも本当に驚かされます。
見る見る良くなって2回の治療で解熱、出勤出来るようになりました!凄すぎる。。
さて、次に繋げていくために、師匠の指示を思考し勉強していく事が大事です。
師匠の人間観察力と臨床力には言葉もありません。本当に有難い師匠です。
「日々の心いろいろ」より(すいせん)
鍼灸の道は特殊と言えば特殊かも知れませんが、東洋思想に興味ある人にとっては自然なのでしょう。
仕事の選択にも様々な理由があります。
私は鍼灸師の家系なので、鍼灸が生活の中に普通にあり、興味の有無という考えすらありませんでした。
鍼灸の道に入った切っ掛けは、亡母がネフローゼの患者さんを治してマスコミに取り上げられ、超多忙になったためです。
ただ親孝行のために本格的に勉強しましたが、徐々に両親はこんな素晴らしい世界を追求していたのかと感動するようになりました。
昨年少しだけでしたが、ある癌末期の男性患者さんを診ていました。
残念ながら今朝、奥様から訃報が入りましたが、同時に、私との縁もあり奥さん自身、鍼灸の道に入られる決意をされたそうです。
亡くなったご主人も後押ししてくれたようで本当に嬉しい事です。
私も母を亡くしたと同時に、鍼灸学校を卒業した事を思い出します。
1秒の生命の重要さを身に染みて感じてこそ、違った意味で本気になれるというもの。
この素晴らしい世界を共に追求していきたいです。
最期まで癌と闘い抜いたご主人に尊敬と感謝の念でいっぱいです。
ご冥福を心よりお祈りいたします。
「日々の心いろいろ」より(寒梅と冬至梅)
自分が努力して勉強と臨床を重ねれば、一定治せるようになるのが北辰会方式です。
師匠が多くの人を救っていく為に、名人だけができる鍼でない様にして下さったからです。
本当に有難い鍼灸の治療方式ですので、学ばなければ損です。
しかし、一定治せるといっても、肩凝りひとつでも、簡単にいかないものも多くあります。
どの様な疾患でも、病の機序が(東洋医学的な病のメカニズム)分かってこそです。
当然、そこに反応があったから…だけではお粗末さん。勉強を積んだその先生の刺鍼理由が絶対に必要です。患者さんにも分かるように説明できないといけません。
これは東洋西洋問わずだと思います。西洋医ではガイドラインという便利といえば便利なものがありますが、勉強不足になり易いですし。。
日本人は大人しいですが、欧米なら何故効果があるんですか?と西洋東洋医共に質問攻めにあいます(笑)。
勉強して、臨床して、頭打って、また勉強して、臨床して、頭打つ。。。一生この繰り返しをして、名人という域に達するのでしょう。
「日々の心いろいろ」より(セイヨウオキナグサ)
先日から続けてワインを頂く機会がありました。みな鍼灸関係です。同業者の本音の語らい程楽しい時間はありません。
同業者でなくても、本当に思っている事を忌憚なく話し合える程の喜びもありません。
昨日は、自称亡き父の弟子と言われる方からのお誘いで、スタッフと共に本当に楽しいひと時を過ごさせて頂きました。
この私達の会話を父が側で聞いているように思えてなりません。
互いに父の事は誰よりも知っていると思っている当人同士ですが、父と娘、師匠と弟子ですから父に対して、様々な食い違いが生じます。
その食い違いを埋める様に話が止まりません(笑)。
食い違いも、全て父を彷彿とさせる為のもので、父の人柄を更に楽しく深く知れる事になりました。
その自称弟子と言われた先生は、「橋本先生から何を教えてもらったというのでは無くて、東洋医学のロマンを学びました」
「先生は、鍼を学ぶ、治す、お金貰う。。。こんな単調な世界とは正反対でした」と、そのお顔は生き生きと輝いておられました。
暗記する程、素問霊枢を愛した仙人のような父、終始一貫して東洋医学に生きた父、改めて敬意をもって合掌したいです。
戴いた白ワインは、今迄飲んだ中で一番美味でした。忘れられません。
父は素晴らしい弟子を持って本当に幸せです。