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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2016年2月17日(水)

発熱が6日以上継続の患者さん。


「日々の心いろいろ」より(ロウバイ)

最近、発熱が6日間続いて解熱剤でも下がらない患者さんが来られました。

会社にも行けず毎日治療に来てくださいましたが、中々難しく…これで治ると思っても、また発熱です。

そのうち正気も弱ってきて、脈状も弱くなり、歩くと息が上がって休み休みの来院です。

困った時の神頼み。師匠にカルテを見て頂き、自分の治療と経過も暴露(笑)し、

兎に角、信頼して淡々と来て下さる患者さんを治してあげたい一心でご指導受けました。

詳細は長過ぎて書けませんが、師匠の配穴にはいつも本当に驚かされます。

見る見る良くなって2回の治療で解熱、出勤出来るようになりました!凄すぎる。。

さて、次に繋げていくために、師匠の指示を思考し勉強していく事が大事です。

師匠の人間観察力と臨床力には言葉もありません。本当に有難い師匠です。

2016年2月16日(火)

鍼灸道に入る動機と使命。


「日々の心いろいろ」より(すいせん)

鍼灸の道は特殊と言えば特殊かも知れませんが、東洋思想に興味ある人にとっては自然なのでしょう。

仕事の選択にも様々な理由があります。

私は鍼灸師の家系なので、鍼灸が生活の中に普通にあり、興味の有無という考えすらありませんでした。

鍼灸の道に入った切っ掛けは、亡母がネフローゼの患者さんを治してマスコミに取り上げられ、超多忙になったためです。

ただ親孝行のために本格的に勉強しましたが、徐々に両親はこんな素晴らしい世界を追求していたのかと感動するようになりました。

昨年少しだけでしたが、ある癌末期の男性患者さんを診ていました。

残念ながら今朝、奥様から訃報が入りましたが、同時に、私との縁もあり奥さん自身、鍼灸の道に入られる決意をされたそうです。

亡くなったご主人も後押ししてくれたようで本当に嬉しい事です。

私も母を亡くしたと同時に、鍼灸学校を卒業した事を思い出します。

1秒の生命の重要さを身に染みて感じてこそ、違った意味で本気になれるというもの。

この素晴らしい世界を共に追求していきたいです。

最期まで癌と闘い抜いたご主人に尊敬と感謝の念でいっぱいです。

ご冥福を心よりお祈りいたします。

2016年2月12日(金)

刺鍼理由をチャンと語れること。


「日々の心いろいろ」より(寒梅と冬至梅)

自分が努力して勉強と臨床を重ねれば、一定治せるようになるのが北辰会方式です。

師匠が多くの人を救っていく為に、名人だけができる鍼でない様にして下さったからです。

本当に有難い鍼灸の治療方式ですので、学ばなければ損です。

しかし、一定治せるといっても、肩凝りひとつでも、簡単にいかないものも多くあります。

どの様な疾患でも、病の機序が(東洋医学的な病のメカニズム)分かってこそです。

当然、そこに反応があったから…だけではお粗末さん。勉強を積んだその先生の刺鍼理由が絶対に必要です。患者さんにも分かるように説明できないといけません。

これは東洋西洋問わずだと思います。西洋医ではガイドラインという便利といえば便利なものがありますが、勉強不足になり易いですし。。

日本人は大人しいですが、欧米なら何故効果があるんですか?と西洋東洋医共に質問攻めにあいます(笑)。

勉強して、臨床して、頭打って、また勉強して、臨床して、頭打つ。。。一生この繰り返しをして、名人という域に達するのでしょう。

2016年2月10日(水)

仙人のような亡父のロマン。


「日々の心いろいろ」より(セイヨウオキナグサ)

先日から続けてワインを頂く機会がありました。みな鍼灸関係です。同業者の本音の語らい程楽しい時間はありません。

同業者でなくても、本当に思っている事を忌憚なく話し合える程の喜びもありません。

昨日は、自称亡き父の弟子と言われる方からのお誘いで、スタッフと共に本当に楽しいひと時を過ごさせて頂きました。

この私達の会話を父が側で聞いているように思えてなりません。

互いに父の事は誰よりも知っていると思っている当人同士ですが、父と娘、師匠と弟子ですから父に対して、様々な食い違いが生じます。

その食い違いを埋める様に話が止まりません(笑)。

食い違いも、全て父を彷彿とさせる為のもので、父の人柄を更に楽しく深く知れる事になりました。

その自称弟子と言われた先生は、「橋本先生から何を教えてもらったというのでは無くて、東洋医学のロマンを学びました」

「先生は、鍼を学ぶ、治す、お金貰う。。。こんな単調な世界とは正反対でした」と、そのお顔は生き生きと輝いておられました。

暗記する程、素問霊枢を愛した仙人のような父、終始一貫して東洋医学に生きた父、改めて敬意をもって合掌したいです。

戴いた白ワインは、今迄飲んだ中で一番美味でした。忘れられません。

父は素晴らしい弟子を持って本当に幸せです。

2016年2月8日(月)

「行不由径」(行くに径(こみち)に由(よ)らず)


大漢和辞典の文字は極小。


「黄帝内経霊枢注証発微』(馬蒔)

先日、父の遺品を整理していたら、貴重な本の数々が出てきました。

その中に、諸橋轍次氏の『大漢和辞典』がありました。

そして偶然にも次の日、某新聞一面に、諸橋轍次記念館館長が大漢和辞典について語られてる記事を目にしました。

この大漢和辞典は、総計約1万5千ページに及ぶ世界最大の漢和辞典で、
途中戦火で焼失したりして、構想から完成迄30年以上の歳月を要したそうです。

文豪吉川英治が「『大漢和辞典』刊行の成果はそのまま、日本文化のバックボーンになるものといってよい」と高評価の辞典です。

その不屈の心を育んだ原点は、故郷愛と親孝行の心だったと館長は言われてました。偉大な業績を残される方には必ず深い原点がありますね。

諸橋氏が携わった13巻の後、14巻の「語彙索引」、15巻の「補巻」の2巻が弟子の手で追加されました。師匠の思いを受けたこの弟子の心にも感動します。

諸橋轍次さんの座右の銘は、「行不由径」(行くに径(こみち)に由(よ)らず)という論語の一節だったそうです。

「径(こみち)は近いように思うが、行ってみると藪があったりして、そうはいかないんだよ。人より先に行こうなんて考えるんじゃなくて、ゆったりと大道を生きていく方が人間としていいんだよ」というのが口癖だったようです。

地道な根気の要る大偉業を成し遂げるために、ご自身に言い聞かせながら頑張っておられたのでしょうね。

全てに通じる真理です。

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