「日々の心いろいろ」より(ドウダンツツジ)
母の時代から、鍼治療を半世紀以上に渡って受けてこられた小川寿美子さんが、今月11日に霊山へ旅立たれました!
享年109歳❗️です。
100歳の時、往診の帰り転ばないでね、とお伝えした矢先、転倒し大腿骨と上腕を骨折され大手術されましたが、順調に回復。医者もビックリです。
現在80歳の一人息子さんの親孝行ぶりも半端なく、お孫さんに至るまでこのおばあちゃんを中心に優しい心が溢れているご親族です。
先日お線香をあげに伺うと話は尽きず、この2年間の施設生活の様子を写真にとり、それはそれは丁寧に残しておられ感動しました!
今年のお正月もひ孫にも囲まれ、自分でしっかりスプーンを持って美味しそうにお食事され、皆さんから本当に大切にされてました。
思い返せば、大家族に囲まれながらも、甘えが無く完全に自立されてましたね。ただあるのは感謝の言葉ばかりでした。往診時も。「ありがとう、ありがとう」の声ばかりが今も聞こえてくる程です。
生前、元気で長生きの秘訣は何ですか?と伺うと、間髪入れず「くよくよしない事ですね~わははっ」とハッキリ言われてました。
ご主人をお子さんが1歳の時に亡くされ、どれ程のご苦労があったかと思いますが、
様々な風雪を越えられた方の相は、優しく涼やかな風格があります。
お家に戻ってこられた小川さんのお顔は、喜びでツヤツヤされてました。
また来世でもお会いしましょう。また色々教えて下さい。
「日々の心いろいろ」より(サザンカ)
同じものを見ても人によって見えるものが違うと思いませんか?それは五根(目、耳、鼻、口、意)全てに言えます。
例えば、こんな話があります。アフリカサバンナに住んでる人が、「ゴリラの足跡がある。ゴリラはこの道を2日前に通った」と、実際そうみたい。凄いですね(笑)
他の人が見ても足跡は全く見えないそうです。
同じ木を見ても、今日の木は生き生きしてて木が話しかけてくる(笑)っていう時とか、元気ないなぁとか。。
その物や、またはその空間が発する気、つまりそれらのエネルギーを感じれるかどうかは、実は鍼灸師にとって非常に大切な事です。
先日の熱海研修の時に師匠が言われていた「直感」という話に繋がります。
直感はどうすれば磨かれるのか?との問いに師匠は、経験を積む事ですと言われてました。
サバンナの住民と同じ様に、患者さんを沢山診させて頂いていくうちに磨かれていきます。
サバンナの方達は、野生の中で生き抜くために必要だからこそ磨かれます。
鍼灸師は、患者さんに心をくだき思いを馳せるからこそ磨かれていくと思います。
「日々の心いろいろ」より(シキザクラ)
昨年、友人のご主人が癌になり今通院で抗がん剤点滴をしながら、関東の北辰会の先生の鍼治療に通われてます。
病院では、お医者さんは患者さんの顔を一切見ず(笑)、パソコンにひたすら向かっていて、
点滴ルームは、お洒落で快適なリクライニングチェアーでテレビ付らしいです。
側から見てると、まるで癌患者さん治療オートメーション化に思えるとの事。はい、次、はい次って感じ(笑)
皆んな急いていて何されるか分からないわ~と真剣に言ってました。医者が患者さんと向き合ってないから心配になるのは無理無いですね。
大病院になる程その傾向は強いようで、私の患者さんからも顔も見てくれないとしょっ中聞きます。
今の医療、どうなっているのでしょうか?
このままでいいのでしょうか?癌患者さんが多いから仕方ないのでしょうか?
鍼の先生は、問診室には天井まで凄い量の本が積んであって(笑)、身体を触って診てくれて、養生指導もしっかりと、
実際、抗がん剤後の気だるさや吐き気は鍼が抜群に効いて元気になると喜ばれてます。
これからの医療…とにかく病気にならない事です。予防医学こそ益々叫ばれる時代になるでしょうね。忙しくなります。
「日々の心いろいろ」より(ポインセチア ファンタジー)
先日の土日は、北辰会関東支部主催の順雪会にスタッフ全員と行ってきました~
今年は初の熱海一泊と言う事で、参加者は過去最高90名近くの大人数でした。
熱海は私も初めてで、勉強会は過密スケジュールでしたが、展望温泉、梅園や樹齢二千年の楠見学、グルメ、MOA美術館等、様々観光してきました!かなり忙しかった(笑)
今回の研修は午前の竹下有先生の「衛気」の講義から、午後の新風先生の「フェザータッチから刺鍼へ」の講義と実技指導で、
テーマが一貫してて流れが良く内容も充実してて良かったです。
この衛気の捉え方はとても難しいですが、島内薫先生の実技指導も、様々ヒントがあり本当に勉強になりました!
そして、翌日は待望の師匠蓮風先生の「難病に挑む!」の講義でした。
先生の一言一言が今回ほど重みを持って迫った来たのは初めてです。
どこに鍼をすれば難病が治るとか、そういった表面的な講義では無く、鍼を持つ側の心持の大事を厳しく突かれた内容でした。
今回の順雪会はもう一度心新たに鍼灸道を歩んで行こうと決めた研修になりました。
影で準備をして下さった役員の先生方に心から感謝します。ありがとうございました!
「日々の心いろいろ」より(クチナシ)
最近、患者さんの中に風邪が治っても咳だけが中々治らない方がおられます。
それも一度出ると止まらなくなり、比較的激しい咳です。これを東洋医学では「気逆咳」といいます。
咳と一番関係のある臓腑は肺の臓です。この「肺の気(肺気)」は粛降作用と言って、気を下ろす作用があります。
そして、この肺気は、肝の臓の「肝気」と協力しあって上下のバランスをとってます。
この肝気は、肺気とは反対に昇発作用といって、気を上に上げる作用があります。
つまり、肺気の粛降作用と肝気の昇発作用の拮抗(見事なバランス)で咳も出ず穏やかな呼吸が生まれるのです。
それが、風邪等で肺気が弱ってる所、春の気は草木も人の気も全て上へ上へ上げる力がある為、
肺気と肝気のアンバランスが生じて激しい咳が出てしまうのです。肺気弱、肝気強ね。力関係大事(笑)
呼吸器系の弱い人(肺気弱)で、多忙にしてる人(肝気強)はこの気逆咳に非常になり易いです。
春は身も心もキツキツに縛らず、ゆったりとして下さいよ~くれぐれもね。