「日々の心いろいろ」より
大好きな画伯のひとりに東山魁夷氏がいます。
この画伯の絵や画集は小さい頃から身近にあったので尚の事です。
画伯は終戦の直前、熊本部隊での自爆訓練中、熊本城から見た風景に生の輝きを感じ、
それがあの有名な「残照」の誕生へと結びつていったそうです。
長野市内にある画伯の石碑には「自然は心の鏡」という言葉が刻まれているらしく…
行ってみたいですね。
この言葉について、
「自然に対する畏敬の念を持って祈る。すると初めて自然は応えてくれる。
自分が自然の中に「溶け込む」状態となり、心が自然の中に鏡の様に映し出される。
だから”独善はいけない”と画伯は強く戒めている。」と、長野県信濃美術館の東山魁夷館長は語られてました。
東山芸術の真髄は、「生と死」という「対蹠(たいしょ)」を描く事だとも言われています。
自然とは生命です。我々も自然の子です。人間の生命にどれだけの畏敬の念を持ってるか否か、
小さな偏狭な考えで生命をみていないか、
それを問うていくのが真の医学だと感じます。
「日々の心いろいろ」より (水辺の植物)
寒い毎日が続いていますね。西宮も子供から大人までインフルエンザが大流行中です。
寒くなると外に出るのも億劫になる人が多いと思いますが、
運動不足、暴飲暴食、睡眠不足の三拍子が揃うと抵抗力が弱って罹患してしまいます。
今回のインフルエンザは、皆さん寒気より、刺すような喉痛から高熱というパターンが多いです。寒いので毛穴が閉じて邪熱が体にこもってしまうからですね。
私も年末年始はこの三拍子が揃ってました。が、師匠に診察して頂き、背中に鍼を一本。邪熱をとる治療でした(笑)元気なのは師匠のお陰ですね。
今月20日頃から大寒に入ります。寒さが最も厳しく冬将軍が暴れる時期です。
この時期はフキの花が咲き始めます。茎の部分のフキノトウは香り良く苦味があって私も大好きです。
また旬の野菜、春菊も苦味があって美味しいですね。これら苦味は熱をとりますのでこの時期に食べるといいです。
大寒の次は立春です。寒さが厳しいほど春は明るく輝きます。そんな春を迎えられますように養生しましょう。
空いっぱいに巨大な虹が。
あまりの美しさ…皆さん今年も良い事ありますよ。
昨日の産経新聞トップに、
「漢方薬や鍼灸など日本や中国の伝統医療が、今春にも開催される世界保健機関(WHO)の総会で認定される方針」との嬉しいニュースが掲載されてました。
政治的な思惑もあるかもしれませんが、西洋医学一辺倒から、人々の関心が東洋医学に大きく向いて来た証拠だと思います。
21世紀の半ば辺りには東洋医学と西洋医学が半々位の勢いで人々から支持される時代が来るのではないでしょうか。
我々鍼灸師は、東洋医学の根底の哲学を核に人間を見つめていく必要が益々あります。
人間とは何か、病気とは何か、死さえも捉え方が西洋医学とは異なります。病気で亡くなっていくのは敗北でしょうか。否。壮絶な次の生への闘いの人生最大のドラマです。
西洋東洋問わず医療者は不可思議で深遠な人間を見つめ考え悩んでいくべきです。
今年も患者さんから沢山のことを教えて頂きながら、人間的に一歩大きく深くなっていきたいです。
「日々の心いろいろ」より
本日で今年の診療は全て終了致しました!
今年も様々な患者さんとの出会いに感謝の思いでいっぱいです。
年々鍼が楽しくなります。これも全て鍼を信じ来て下さる患者さんのお陰です。
今年も様々な疾患を沢山診させて頂きました。幻聴、中皮腫、起立性低血圧、脳脊髄液減少症、ガン、鬱病等の難しい病気もありましたが、
病名に関わらず、どんな病でもそのバックには、患者さんの様々な思いが密接に関わっています。
人は想像以上にナイーブ。色んな思いをして日々一生懸命生きてます。
今日、小学生の男の子から素敵な栞とメッセージを貰いました!(下記写真)「黙って歩くんだよ ただ黙って」これは、相田みつをさんの詩の一節です。
相田さんの詩を読みながら自分と戦ってる小学生男子(笑)偉いです!
楽チンばかりは損です。自分に負けない人は強いです。強い人は明るいですし本当に優しいです。この男の子の様に。
来年も内面から歓びが溢れるような「鍼の効果」を感じて頂き、全患者さんが心身共に強くなって頂きたいです。
一年間本当に有難うございました!スタッフ一同心から御礼申し上げます❣
兄弟合作。2人共元気になりました!
相田みつお~道~
毎年届く薔薇に感謝。。。
先週日曜日は東京にて北辰会の研修会に参加して来ました!
予告通りの素晴らしい内容でした。午前中は竹下有先生の「中医学と北辰会方式の違い」を歴史を踏まえながら非常に分かりやすく明解に展開されてました!
前半は、1822年の清の時代、皇帝の体に鍼灸をする事は禁止との勅令が出されてから、様々な苦難変遷を経て現代中医学として残った事を踏まえて、
後半は、中医鍼灸と北辰会方式の違いを「理法方穴術」に即して明確にされてました。非常に分かりやすく、かつ大切な内容でした!
有先生の情熱がビンビン伝わってくる切れっ切れっの(笑)話し方。情熱の電波こそ世に影響力をもたらしますね~
お昼からは、関東の支部長、尾崎真哉先生の「北辰会方式の舌診」講義でした。
日本ではメジャーでない舌診ですが、これを勉強せず見逃している医療関係者は勿体無いと言わざるを得ません。
尾崎先生の内容が膨大で1時間ではダッシュ状態(笑)。何故臨床において舌診が必要か、その診断意義を押さえながら、舌の変化の実際を映像で沢山見せて頂きました!
蓮風先生の舌診アトラスや、鍼灸ジャーナル、素問霊枢の舌診箇所等々沢山紹介下さいましたので勉強有るのみですね。
最後は、副代表、藤本新風先生の「体表の声を聞く」でした。今回、ご自身のプロフィールから始まったのも印象的でした。
新風先生の講義は臨床する上で非常に大事な事が散りばめられてました。大事な基礎。み~んな絶対(笑)聞いた方がいいです。
「聞く」「訊く」「聴く」の違いを踏まえ、「聴く」という体表の声をそのまま「聞き入れる」事の大切さを語られました。
それが出来ないのは、こちらの体表への認識不足、思い込み、手順やフォームの違い、プライドや劣等感があるからだと言われ、これらをひとつひとつ丁寧に語られ、ベットサイドでの意識や、普段から心がける事も教えて下さいました。
理論後は、実際に新風先生と他の先生との体表観察の違いを公開臨床されましたが、遠くから見ているだけでも明らかで勉強になりました。
今回は蓮風先生が参加されなかったですが、大充実の研修会でした。
講演者は年末最後の講義ともあって気合の入り方が凄いです。12月の関東支部は行かれた方がいいです!という事で、内容も少しだけ紹介しました(笑)