「日々の心いろいろ」より
学生時代からの大親友の御主人が今末期癌で自宅で闘病中です。私も両親で経験済みなのでその大変さ分かります。
先日の研修の帰りお見舞い兼治療に行きました。
友人とはしょっ中やり取りをしてますが、実際自宅に行くと全体が把握できます。
今の状況で、ご本人を始め関係するご家族にとって他人の一言一言は影響力大です。良くも悪くも。
患者さんは脳梗塞を併発(癌の邪熱と水分量が追いつかず血栓ができ発症)し、殆ど話せません。
衰弱されてる時は、お布団も重く感じ、音楽や人の声までシンドイです。触るのも余程軽く触らないと…石が載ってる程の重さだと思います。
また癌と闘ってる患者さんに対して変な感情を抱いてる人が入室すると悪化します。余計なお情けは患者さんには不必要です。
毎週くる医者やお見舞いの人もその辺を把握してないと患者さんに拒絶されます。
実際拒絶されてます(笑)
現在、信頼する関東の鍼灸の先生に往診をお願いしてご苦労お掛けしてますが、
御主人は「鍼…」とだけ言われるそうです。
実際、鍼治療で楽になるのでしょうね。
癌と闘いながらもお部屋の中はとても平和な空気が流れていました。優しさに包まれているような。。。
地平線までクリアに。
美しく咲く熱海桜。
先日の連休は北辰会冬季強化合宿「第20回 順雪会」に参加してきました。
当初は雨予報でしたが当日は春の陽気で海辺に咲く熱海桜がほぼ満開でした。師匠の蓮風先生は超晴れ男ですので。
師匠は必ずこの順雪会の所以を語られます。冬の寒い時期に亡くなられた順一先生のお名前を取って順雪会と命名されたそうですが、
師匠と順一先生の友情の深さは師匠のお言葉から容易に察する事が出来ます。
御二人の深い深い繋がりがこの研修会の骨格となって人材が育っていってるのでしょうね。
今年の100人を超える過去最高の参加者がそれを物語っていました。知らない若手メンバーもいっぱい。北辰会の躍進が手に取るようでした。
師匠は「患者さんに如何に向き合うか」というタイトルで講演して下さいました。
今回は今迄とは違った感じで、師匠の人生の総決算としての率直な思いを語って下さいました。
「直感とは本来の自分に戻る事」の一言を心に刻みました。
師匠には益々お元気でいて頂きたいです。時に出る鍼狂人毒舌も(笑)ずっと聞いていたい。ワクワクします!
臨床実技では水本淳先生に大変お世話になりました。私の湯当たり(笑)を見事に治して下さり感謝しかありません。
かなり前に水本先生が一本鍼の配穴ポイントを師匠に質問されてた事を覚えてますが、今回の刺鍼実技で惜しみなく教えて下さいました。
ベテランの先生でも悩み常に研鑽され、ご自分のものにしておられる姿勢には感動しました。
また油谷先生の古代鍼の実技も素晴らしく、見て全体の感覚を掴む事の大切さも感じました。
宿泊型研修の良さですが、夜中まで先生方と有意義な対話をし、朝は露天風呂から相模湾に登る朝日を共に浴びる等、思い出に残る2日間になりました。
今回の研修に背中を押して下さった先生方には感謝します。
講師の先生方本当に有難うございました。お疲れ様でした。
「日々の心いろいろ」より(葉牡丹)
鍼灸治療では、四診(望診、聞診、問診、切診)合参してどのツボに鍼をするか決めます。
ですから同じ病名でもその機序が違うので使うツボも違ってきます。完全オーダメイドですね。
先日長年ニューヨークに住む友人が、心臓の圧迫感で動けなくなり急遽必死の思いで帰国され、着いた夜救急搬送されました。
アメリカで救急搬送され検査されると300万は優に超えるらしく。。。(怖っ)
圧迫感や動作時の異常なしんどさが取れず検査待ちの間に治療に来られました。
心臓の病は虚実をしっかり見極めて的確に治療するとその場で楽になります。
体表観察すると心不全より狭心症タイプでした。簡単に言えば虚より実という事です。でも実も嵩じれば虚に転化しますので危険です。
足に一本鍼をすると、脈状、舌、背部や腹部のツボ、手のツボ全て心臓に関係するツボが整いました。診断即治療です。
「うそみたい。。。メチャクチャ心臓楽!(笑)」と。
ニューヨークは今冬マイナス17℃らしいですが日本の方が寒く感じると言われます。
向こうは風と湿気が無いからでしょうか。体調具合でしょうか。
寒い冬ニューヨークで鍼灸治療いいですね!
「日々の心いろいろ」より(呉羽枝垂れ)
立春を過ぎても極寒の毎日ですが、梅の花は綺麗に咲いてます。もう春が来てますね。
春は「肝の蔵」が活発になる季節。肝には条達(昇発)作用があります。上に昇って発散するという事ですね。
木が地面から養分を吸い上げて葉っぱを伸び伸び広げてる姿です。人も自然の子。生き生き伸び伸びが春の本来の姿です。
でも、上に気が昇り過ぎてイライラし易くもなります。上手に発散してる人は大丈夫(笑)
また体の中の陰液(血液や津液)が充実してる人、つまり潤いのある人も大丈夫(笑)
寝不足や過緊張の日々を過ごしてる人はこの春は辛いですよ~
『霊枢』の本輸篇第二に四季による刺鍼法が書かれてます。
「春の病には絡穴・榮穴・経脈の分肉の間を治療しなさい。重い病は深め軽い病は浅めに」とあります。
確かに春は脈も浮き気味になり、やや速く打ってきてる人が多いですので納得できます。
基本春の正常な脈は微しく弦脈ですが、色々動き出す春は、臨床上様々な脈が診られます。脈診にはいい季節ですね。
春はバランスを上手に取らないと激しい症状が出やすいです。しっかりお散歩しましょうね。
北上する程に雪深く静寂でした。
昨日の日曜は月一回の豊岡往診日でした!
豊岡は盆地で夏は猛暑冬は極寒。人間が鍛えられる土地です。
今年は気温が上がらず道路がアイスバーンらしく久々に電車で向かいました。
雪国に住んでない私にとっては、雪は静寂で美しく心落ち着く景色です。が、
患者さん達は雪かきで筋肉痛やら低体温で大騒ぎでした(笑)
また新しい患者さんが2人来られましたが両人共うつ病を発症されてます。
何れにしても、皆さん下半身が冷え切って上半身が逆上せているか、表面が冷え切って体内部に変な熱がこもってるかです。
この寒熱のひどいアンバランスを整え全身を温かくする事が私の使命です。
うつの方は背中の筋縮というツボに古代鍼を翳すと気持ちいい!と言われ、変な熱(邪熱)を取った事で気が巡り始めました。
気血が巡り出すと不足してる虚のツボは充実してきますし、持ち上がってる実のツボは平らかになります。
お顔もパッと明るくなります。
鍼の面白さはこの辺が如実に変化する所です。
もう春が来ています。患者さんにも!