「日々の心いろいろ」より(ろうばい)
昨日、私の大親友のご主人の訃報を聞き急遽上京しました。癌末期ですと言われ一年半、最期まで自宅でご家族と共に過ごされました。
末期癌の患者さんを24時間毎日診る事の御辛労は計り知れない程大きいです。
この大変さ経験しないと分かりません。
亡くなる直前まで家族と会話もでき、数日前までおトイレも家族に支えられながらも行け、浮腫みも痛みもなく、驚く程の生命力でした。
紹介させて頂いた関東支部支部長の尾崎真哉先生に心から感謝されてました。鍼のお陰で天寿を全うさせてもらったと何度も御礼を言われてました。
というのも、毎週くる訪問医の言葉が本当に残酷この上なく、友人もご主人も呆れ返ってた中での闘病でしたので。。。
私も以前その医者に会った事がありますが…居るだけで暗くなる人(笑)でしたね。
誰もが経験する人生の最期…生老病死ですから病の次に死は必然です。人生の一大事に関わる医者の存在は限りなく大きいです。
尾崎先生は、このご家族にしっかり寄り添って真心込めて鍼をして下さいました。この当たり前の様な事が出来ない現実が多々あります。改めて尾崎先生の鍼灸に対する真摯な魂に合掌する思いです。
ご主人若々しく晴れやかな相で微笑んでおられました。病と闘い切った見事なお顔でした。
ご家族をこれから益々見守ってあげて下さいね。約束。
「日々の心いろいろ」より (胡蝶蘭)
患者さんはじめ皆さん何らかのストレスを抱えて生きてます。
適度なストレスは成長の為に必要ですが、過剰ストレスはバランスを崩して様々な病を引き起こしますね。
今は亡き、免疫学大家の安保徹先生は、「ストレスで起こる病気、特に心の悩みで起こる病気の特徴として、
その人の性格ゆえにストレスを心の深層(無意識の世界)に閉じ込めてしまうために発症することが多い」と言われています。
よく患者さんの中にも、精神が安定したら体痛が起こるようになり、またその逆もみられるケースが多々あります。そんな場合は、痛みを徐々にとっていかなければいけません。長期戦も大切です。
また、安保先生は「ストレスというのは自分でも気づかないまま影響を及ぼすもので、自己申告できるほど意識化されていない場合が多い…」とも言われてます。そうなんでしょうね。
鍼で沈んだツボを浮かせて巡らせる事で、意識化されてないものが夢になって出てきたりする事も多いです。
体から心へ、心から魂へ働きかける鍼治療は本当に不思議で魅力的です。
「日々の心いろいろ」より (古金欄)
3月5日から半ば頃までは、24節気では「啓蟄」にあたります。
24節気をもう少し細かく分けると72候になります。1年を72等分したものですね。
72候によれば、3月5日から9日頃は、「蟄虫啓戸」「すごもり むし とをひらく」と読むそうです。読めない(笑)でも絵が浮かんできそうな可愛い表現ですね。
この72候は日本の気候風土に合わせて改定されたものですので、とてもマッチングしてますね。
土の中で冬ごもりしていた虫たちが、暖かい春の日差しの中で活動を始める頃という意味です。
患者さん達も症状が一気に出てます。高音の耳鳴り、フラつき、イライラ、胸痛、鼻炎、麦粒腫、咳嗽、頭痛等上半身の症状が圧倒的です。また胃腸の調子が悪くうつうつしてる人も多いです。
とにかく賑やかです。衛気も乱れてます。
乱れた気に振り回されてる人も多々おられます。
こんな時は落ち着いてゆったり行動することです。ガサツは事故の元。優雅に楽しく。無理かな(笑)心掛けて下さい。
「春には苦味を盛れ」という格言もありますので、ふきのとう、クレソン、せり等を食べるのもいいですよ。大好きなものばかり!
「日々の心いろいろ」より
先日、昔私が幼稚園で働いていた時の卒園生が遠方から訪ねて来てくれました。
卒園生がこうして度々会いに来てくれます。もう皆んな大人になりましたが中学くらいの時は家出にも来てくれたり(笑)
背丈も追い越されて大きく成長した姿に感無量でした。私の中では、5歳の時の顔や姿、性格のまま止まってますからね。
大人になって様々自分を見つめて悩みながら必死で生きてました。
「先生はどんな壁を今迄乗り越えて来たんですか?」と質問され、う~ん何も乗り越えてないよ(笑)と。。。
自分には大きな壁があって乗り越えられない。。。と悶々としてましたが、
その壁は幻じゃないかな。限界や壁は自分が勝手に作ってるのかもよ。
私達は小宇宙。宇宙人(笑)
宇宙は無限、無量無辺だから始めから壁ないよ~と言いましたが。
そう人間を捉えて無限の可能性を信じて生きたいです。
「日々の心いろいろ」より (セイヨウオキナグサ)
随分前から「サイバネティックス理論」から中医理論を解明する論文が多く発表されてるようです。
先日の院内勉強会で話題に上りました。
サイバネティックス理論は、1948年ノーバート・ウィナー博士が、渡り鳥をヒントに構築されたものです。
私も以前から、どうして渡り鳥はチャンと同じ場所にたどり着くのか疑問だったので感動した事を覚えてます。天気も気圧も風力も違うのに…ね。渡り鳥達偉い。
偉いで終わらないウィナー博士はもっと偉い(笑)14歳でハーバード大学院に入ったみたい…天才。
鳥達はそれら外部状態とコミュニケーション(通信)しながら小刻みに繰り返し軌道修正(制御)しながら目的地に到達してるそうです。「通信しながら制御」の論説ですね。
中医学でも身体と外環境との動態の平衡状態が健康で、この平衡が崩れると病になると考えます。
バランスをとる事こそが東洋医学の真骨頂なんですね。
私達は毎日、自分も含めて(笑)患者さんのバランスの崩れを是正していってます。
先日の研修会で師匠蓮風先生が、講義の中で言われた「崩れながら崩れない」という言葉と重なります。
人も日々変化変化の中で自分と闘っているんだと思うと健気で何とも言えない気持ちになります。
人間頑張れー(笑)