水が美しいって平和です。
最近の気温変化には振り回されますね。数日前に慌てて灯油を買いに走った人、衣替えでしまった服を引っ張り出した人、一日の内にも10℃以上の差があって大変です。
二十四節気で言えば今は「立夏」夏の始まりの時期です。七十二候では「蚯蚓出(みみずいずる)」で、土が温かくなり、冬眠していたみみずが土の中から出てくる頃です。
きっとみみずさんも寒いから顔を出すのを躊躇してるでしょうね。
人間だけでなく自然界の生態系も適応するのに一生懸命だと思います。
この様な気温の激しい変化は、身体に影響を及ぼすだけでなく、精神も揺れ動きます。
寒くなれば体は緊張し、温かくなれば緩みますが、コロコロ変わる気温に適応させようと不安定を強いられます。
患者さん達も、何故か体が重くてという方、風邪を引かれる方、皮膚疾患が悪化される方、頭痛や目眩の人、様々症状が吹き出てます。
また天気が「雨」から「晴」になると気圧が上がり、「晴」から「雨」に変わると気圧が下がります。
心の状態を天気で表す言葉も多いですね。「気が晴れる」「無念が晴れる」「表情が曇る」「心は雨模様」等々…
気候が体と心に影響がある事は明らかです。こんな時は、自分を責めて心乱すことなく、疲れに逆らわない事も大切ですね。
適度な運動や充分な睡眠、バランスのとれた食事という基本的を大切にして生くことです。
先日、長年治療に来られてる人ですが、不正性器出血で駆け込んで来られました。
東洋医学ではこれを「崩漏(ほうろう)」と言います。
余りに大量出血なので一回は病院で止血剤を貰ったそうですが、再び酷い出血で来られました。
人それぞれ機序は違いますが、必ずと言っていいほどバックに大変なストレスがあります。この患者さんも然りです。臓腑で言えば肝の臓の暴発です。
昔から女性は子宮で物を言うと言われますが…これって差別用語ね。でも生殖器は肝の臓の関わりが一番深いですので、東洋医学から考えると納得できます。
肝の臓の昇発作用(心身共に伸び伸び大好き)が、ストレス過多で閉塞されると暴発(崩漏)します。
この患者さん、大量出血ですからとにかく止血しなければなりません。
肝気の鬱したものが衝脈を通って子宮に影響を及ぼしてますが、バックに血を漏れないようにする統血作用の脾の臓の弱りを考え、
公孫というツボに50壮程お灸をするとそれっきり止まりました。
この患者さん、とあるお医者さんですが鍼の効果を身に染みて感じて下さってます。嬉しいですね。
研修に行くと、よく師匠が患者さんに「要らん事を考え過ぎてる!」と叱咤される事があります。バシッと切られます。
要らん事(笑)…って何?と思われるかも知れませんが。的を得た一言です。
人は調子が悪くなると、不安になってアレコレ考えだしますね。癌かな?治らないんじゃないか?自分だけなんで?(笑)等々。
要らん事を考える度合いが過ぎると、精神が混乱してパニックや鬱になります。
この春は特に様々要らん事(笑)考え出す人が増えてます。肝の木気が盛んになって精神が揺れるからです。
本当に根比べと思うほど、同じ事の繰り返しの患者さんがおられますが、鍼をしていくうちに、
大丈夫ですよ~と言うと、やっとそうですね!とスンナリ(笑)帰られるようになりました。こんな方多いです。
考え過ぎるのは現代病でしょうか。物や情報が多過ぎのせい?その考えも勝手に次々と湧いてくるから大変ですね。
頭の中がスッキリしてくると心もスッキリ晴れやかになります。
私も時々、必要以上に自分を落とさないようにね~と患者さんに言いますが、ともかく体から心へ、心から魂へ確実に鍼は届いていると感じます。
「日々の心いろいろ」より (プラドレッド)
先日中学生になった男の子と長い時間お話しする機会がありました。楽しかった!
その子は学校に行きたいのに行けません。優しくて敏感な子なので、下界の蠢きを察知し過ぎるのでしょう。
中学の時間割を久々に見て驚きました。6時間授業で、間の休みは10分、これは次の授業の準備と移動で終わります。
給食時間は20分。短かっ。その後クラブ、その後塾。帰ったら宿題。。。ホント大変ですね。私無理です(笑)
先日NHKの番組で、10代の子供達が年間3万人以上が失踪してるそうです。その中には、辞書を持って家出してる子とか(笑)がいて、
どれだけ努力しても親はもっといい成績を望む事に耐えられず失踪との事。
子供達の自殺も多すぎます。発展途上国には自殺者も拒食症もいないんですって。皆んな生きる事に必死だからです。
日本は豊かになって親が子供に向ける目が強過ぎますね。圧半端ない(笑)子供達は悪さをしたりイタズラを楽しんで発散し伸び伸び育ちます。
特に10代の思春期は親に反抗したりイタズラしたりして自立していきます。
細かい事を注意し過ぎて圧力をかけ過ぎると、エネルギーが抑えられなくなってイジメもここまでする⁇という程抑えが効かなくなります。真面目である程。
先日も小学5年生の男の子の背中を見て驚きました。何年も徹夜で働いてるサラリーマン級の硬さ。。。学校に行けない程シンドイのは当然です。
物質だけが豊かになった日本の子供達に必要な「生きる力」をどうすれば発揮させれるか真剣に考えるべき時ですね。
奈良の師匠の所には鍼灸院とは思えない程、様々な難病やガンの患者さんが来院されています。昨日も見学させて頂きました。
その中で、重症なガン患者さんが社会復帰するまでにお元気になられていました。
この患者さんは抗がん剤も併用されてます。今や癌治療の常識の様に抗がん剤は使用されますので、鍼治療で無く抗がん剤が奏功したのではと思われる方も多いと思います。
それは鍼治療が如何にその人自身の治癒力を高めるか、その凄さを知らない人の考えだと感じます。
この患者さんの喜びの声をお聞きし、どれ程鍼治療に感謝されてるか…喜び伝わってきます。
今日来られた癌の患者さんも、「先生、肺の癌が消えてましたよ!すごいね!」と私の腕を叩かれて言われました。
この方は東洋医学に携わってこられた方で、今のところ西洋医学の治療は受けられていません。「すごいね!」の鍼への共感の一言、嬉しかったです。
放射線も抗がん剤も確かに病巣を小さくする事は出来ますが、副作用が強く全ての癌を取り去るまでには苦痛を感じる方が多いです。
だからこそ、抗がん剤に代わる療法が次々と研究されていると思います。
患者さん自身が実感された鍼に対する声に耳を傾けていきたいです。