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2018年03月17日(土)

人間は病気であればあるほど人間。

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「日々の心いろいろ」より (ギンバイ花)


当然ながら、この様な仕事に携わっていると、「病」について考える事が多いです。

中村雄二郎さんが著書『臨床の知とは何か』の中で、トマス・マンの『魔の山』を引用されてこんなお話をされてます。

「魔の山」とはスイスの高原にある結核療養所の事で、青年ハンスが従兄弟のお見舞いに訪れた際、彼も結核になり入院生活を送るようになります。

ところがハンスは、病気の世界に魅せられてしまいます。これまで平凡で健康な市民として生きてきた彼でしたが、病による解放感を味わったのです。

作中人物の一人は、《人間の尊厳性と高貴性は精神に、病気にあるのであって、一言でいうと、人間は病気であればあるほど人間であるのである》と引用されてます。

中々示唆に富んだお話です。

バランスが崩れたら病が発症する訳ですが、もっと根底の無意識のところでは、自ら望んで病になり、自分を解放して本来の自我に目覚めたり、

時には病によって家族全体の心や魂の問題を解決に導いたりと、

病と言っても、中村雄二郎さんが言われてるように、「深い生命の目覚め」である場合があります。

この仕事の奥深さを考えさせられます。