症例

2012年06月13日(水)

夜間尿 [泌尿器疾患]

主訴:夜尿症
西宮市在住 10歳 男子
初診日:平成24年3月初旬

(経過)
夜尿は生まれてから毎日で、夜尿しなかった日は一日もない。

2歳時、保育園で高い所から飛び降りた時、右足指複雑骨折。落ち着きがなく常に動き回っているらしい。先天性弱視、乾燥肌、便秘気味。8歳で名古屋に引っ越してきてからアトピー発症する。

自然学校もあるため夜尿症を治したいとHPにて来院される。

(特記すべき問診)
飲食:大食で間食有り。口の渇き有り、冷飲好む。
二便:2日に1行。臭いキツイ。尿は1日5回、尿切れ悪い。
汗:多く、特に額にかく。寝汗も有り。
手足冷える、寒がり。

(特記すべき体表観察)
舌診:暗い赤で、白い苔がべっとり付着。
原穴診:右神門、太白虚。右太衝熱感。左太溪虚。
背候診:督脈上の圧痛は身柱・筋縮・中枢・懸枢。左肝兪熱実、右心兪実。
腹診:右脾募、両肝之相火キツイ邪。

(診断)
アトピー、口の渇き、便秘、便の臭いがキツイ、汗が額に多い、ツボの熱感等等、これらは全て身体の中に熱をこもらせているためと考える。
手足が冷たいのは、ツボの状況から身体の中に熱がこもって、手足末端まで陽気がめぐっていない為と思われる。

この夜間尿は、肝気の昂りが相対的に腎の気を弱らせている為であると考え、肝気の昂りを緩和する治療とする。肝之相火(両方の脇)が、非常に硬く緩みがないため、ここが緩んでくる事を治療の目安とする。

(治療方法)
初診日:鍼を使用せず、打診(両脾募)と古代鍼(百会)にて治療。
3診目以降:外関穴に置鍼し(アトピー治療のひとつ)、古代鍼にて背中を散鍼。
9診目〜現在まで:百会穴に5番鍼にて置鍼すること10分。


(効果判定)
本人の性格や鍼を怖がっているという事もあり、初めは鍼を使用しないで治療を開始。徐々に鍼を使用して百会穴に置鍼できるようになる。
百会を使用してから3回目で、尿の量が減少。6回目に初めて夜尿をしない日が出る。(家族中大喜び)現在、6月6日来院時点で10日間連続して夜間尿がなくなった。

(考察)
今まで10年間夜間尿をしない日が無かった子が、今は嘘のように改善されました。それも、治療を始めてから12診目に効果が現れ、ご家族中がお祝騒ぎで喜ばれたようで、その様子が目に浮ぶようです。

夜尿が無くなってきたのは、やはり、肝之相火(両脇)の酷い張りが緩んできてからです。やはり、肝の昂りが原因であったと思われます。

本人は、中々置鍼中もじっとしていられず、お話ばかりしていたので、時に注意もしたりしましたが、お母さんと共に治りたい一心で来院して下さっています。本人も大変ですが、毎日お洗濯されるお母さんのご苦労はどれ程かと。

治療をしていくことで、夜間尿だけでなく普段からの肝の昂り過ぎを緩和し日常生活が益々円滑になっていくと思います。


2012年06月09日(土)

夜尿症 [泌尿器疾患]

尼崎市在住 7歳 男子
主訴:夜尿症
初診日:平成24年1月中旬

(主訴について)
生まれた時から夜尿症が継続。1年前に鍼灸院に通った時は少しましになったものの、昨年夏頃から夜尿回数が増える。秋に夜尿専門医の所に行き、食事タイミング指導を受けるも治らないため、ホームページにて来院される。

(経歴)
2,000グラム後半で出生し保育器に入る。父親は遅くまで仕事、母親は専業主婦。休日は家族でよく出かける。幼稚園の頃から歯ぎしりやチックが見られるようになる。友人は比較的おだやかな子と毎日遊んでいる。

(その他の所見)
・日中の尿回数は7回〜10回。
・飲み物は冷飲好み一気に飲む。好物肉類と果物。
・足が冷たい。

(主な体表所見)
舌診:紅舌でやや色が褪せている。舌の先が紅く舌の前の方に紅い点々が多数。舌の奥が剥げ。白い苔がべったり付着。舌自体は湿っていて乾燥してない。
脈診:滑脈。
原穴診:左腕骨虚、右太溪・太衝・照海・太白虚。
背候診:左肝兪から三焦兪の熱感強い、右腎兪虚。
腹診:右肝之相火の邪気。

(診断と治療方針)
チックは、上部(首から上)に気が偏り過ぎているため起こる、肝気鬱血型
(かんきうっけつがた)によるチックと判断。それは、舌所見で舌の先が紅く、紅い点々が
多数見られること、右の肝之相火の邪がきつい事が挙げられる。(舌、腹部脇辺りは、肝気
の昂り度合いの指標となる)
チックは情緒の変動と密接な関係があることからも、肝気が昂り過ぎていることが考えられ
る。

このように上部に気がかたよっているため、下部にある腎に影響が及び(上下のバランスの
乱れ)腎の気が虚し夜尿になったものと考えた。

また、舌にべったり粘着な白い苔が見られることから、肝の昂りが胃腸にも影響していると思われる。

以上のことから、肝と脾胃にアプローチし、肝の高ぶり過ぎを抑える事によって、腎気の弱りから起こっている夜尿症を治癒していく方法とする。

7歳で敏感な男の子のため、鍼を用いず古代鍼という接触鍼を使用する。

百会(上の気を下げる)、両少沢(情緒に安定を与える)、右心兪から胆兪までを中心に銀の古代鍼にて散鍼(肝気を巡らせる)。太白(脾胃の状態を調える)を銀の古代鍼にて治療を継続。

(治療効果)
週2回の治療開始。1診目より効果が現れ、治療にこられる度に夜尿1回失敗のみになる。足が4診目で温かくなり、胃腸のツボ、太白穴の反応が良くなってくる。
17診目には夜尿は殆どしなくなった。また、チック症状も無くなる。

(考察)
長男さんで中々しっかりした男の子です。
当初から、かなり我慢強い印象も受けましたので、発散が中々できていないのだろうと予測してました。
その様なお子さんは、気が上に上り易すく、それがチック症状になっていたのだと思います。

治療を進めていくうちに、慣れてきたこともありますが、自分らしさがドンドン発揮されて伸び伸びと明るくなっていくようでした。
夜尿もチックも良くなり、ご両親も共に治療を受けて下さっています。

学年が代わり緊張があると少しチックが出たり、夜の食事が遅いと少し夜尿が出たりしますが、ツボの反応が改善されていますので、直ぐに元に戻る程度のものと思います。

治った事で自分にも自信が出来、お母さんやお父さんに迷惑をかけているとの心も救われた気持ちだと感じています。
こどもは、言葉では中々表現しませんが、夜尿等したら、親に悪いな、と心の中で思っている子がほとんどです。

これからも鍼灸の力で身体から、精神の緊張を緩めていって欲しいと望みます。

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