症例

2014年05月10日(土)

アトピー性皮膚炎 [皮膚病]

主訴:アトピー性皮膚炎15歳 女性 
初診日:平成26年3月初旬

(現病歴)生後4ヶ月で全身にアトピーが発症する。赤味も痒みも酷くステロイドを使用。漢方薬(不明)で皮膚は改善し、幼稚園頃には漢方薬を止めて、ダンスや水泳などのスポーツで若干の痒みが出る程度に治まる。

中学生時、塾等で多忙になり運動をやめた頃から、アトピー再発。顔から酷くなり全身に広がっていく。ステロイド剤で改善するも使用を中止すると悪化。この繰り返しで学校も休みがちになる。病院を点々とし、様々な薬を処方されるが、顔の火照りと共に両頬に黄色い肌汁が出るようになる。薬の効果も実感できず自己中断し、自宅から出れない状態が続く。(下記写真添付)

その他の症状:小さい頃から便秘、痒みのため不眠冷え逆上せする、無汗(特にアトピー悪化してから)、口内炎が出来やすい、食べても太らない、手足厥冷等。

増悪因子:生理前、冬(1月から3月)、就寝時。緩解因子:生理後。

(治療方針)

問診と多面的体表観察より、
ご両親(特に母親)の体質類似から、幼児期からアトピーを発症。多感な中学生時、様々な原因(ストレス、肥厚甘味の食事、運動不足、無汗、便秘、乾燥季節等々)により、邪熱を身体に溜め、その邪熱が行き場所を失い、弱い皮膚に停滞しアトピーが発症悪化したものと考える。顔面両頬の痂様のアトピーは、湿熱邪によるものとして治療。熱と湿の比重から清熱中心の治療方針とする。

(配穴と効果)

1診目〜4診目迄:百会穴(上焦の邪熱を除去)
5診目〜12診目迄:後谿穴(心神安定と清熱)
13診目〜17診目迄:申脉穴(心神安定と補腎)
18診目〜22診目迄:百会と照海穴(清熱と陰液を補う)
23診目〜36診目迄:申脉穴(心神安定と補腎)

◆初回は、ダイレクトに百会で心神を安定させながら上焦の邪 熱を除去。腹部全体が緊張状態(特に臍周辺の硬結顕著)に あったが、4回の同治療でかなり緩み、毎日便通 がつくようになる。

◆5診目から、百会より優しく効かせる為、後谿穴にツボを変 更。顔面の赤味が徐々に引いてくる

◆13診目から、後谿の反応が無くなったと共に、膿状の滲出液 が緩和されてきたため、腎(申脉は膀胱経の裏)を意識しな がら内風を治める為申脉穴に変更。身体全体の痒みで眠れな かったが眠れるようになる。腹診の右梁 門から天枢にかけての邪が薄らぐ。

◆18診目から、受験へのプレッシャー等を考え、百会穴で心神
 を安定させながら陰液を補う治療。両頬も綺麗になる。背部督脈上の圧痛取れる。

◆23診目から、再び申脉穴に。乾燥時期のため内風を治める目的で使用。手足が暖かくなる。



(考察)

約2ヶ月、毎日のように来院してくださった事に感謝しています。(現在も継続中)
上記の配穴により着実に陰陽のバランスがとれ、晴れて高校に合格通学できるようになりました。日に日に笑顔が増え、鍼を大信頼してくれているのを感じながら治療できた事が早期の治癒に繋がったと思います。ステロイド等も一切使用していません。素敵な笑顔、表情の変化がここでは見ていただけない事が残念なほどです。

学校など人の多いところや乾燥した場所にいくと逆上せがきつくなりますが、発汗できる季節になれば緩和してくるでしょう。

彼女のアトピー性皮膚炎を通して、鍼の効果の素晴らしさを教えてもらっています。

酷いアトピーで長年苦しんでおられる方の希望になれば嬉しいです。





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平成26年3月初診時

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同年4月下旬


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